【プレミア12】韓国メディアが問題視した米国戦の“疑惑の判定”、英語実況はどう伝えていた?
リプレー検証の判定に選手も不満を露わ、英語の実況では「アメリカは幸運を掴んだ」
11日から日本でスーパーラウンドが開催されている「第2回 WBSC プレミア12」。韓国メディアは、米国戦での“疑惑の判定”を問題視している。本塁クロスプレーがアウトと判定され、韓国がチャレンジを要求したものの、覆らなかったプレー。この大会で東京五輪出場権の獲得を目指す韓国は、野球日本代表「侍ジャパン」とも対戦するスーパーラウンド2試合を残しているが、韓国紙は「判定の影響で敗れていたら深刻な問題になるところだった」と指摘していた。では、英語の実況はこのプレーについてどう伝えていたのか。
問題のシーンは、11日のスーパーラウンド初日、東京ドームで行われたアメリカ-韓国戦で起きた。3回1死一塁で元中日の李鍾範(イ・ジョンボム)を父に持つイ・ジョンフが右中間を破る二塁打を放つと、一走のキム・ハソンは一気に本塁へ。最後は滑り込んだものの、中継プレーで本塁にボールが戻り、キャッチャーのクラッツが“タッチ”。キム・ハソンはセーフの仕草を見せ、本塁を踏み直したが、球審はアウトと判定した。
すると、キム・ハソンは再びセーフのジェスチャーを見せて、韓国ベンチにアピール。キム・ギョンムン監督がチャレンジを要求したが、リプレー検証でも判定は覆ることなかった。ベンチではキム・ハソンが両手を挙げて不満を露わにしたが、当然ながら最終判定が覆ることはない。それでも、場内からはブーイングが起きた。
中継では、実況が「(中堅の)ウォーターズが捕球しました。送球は本塁へ。間に合いません」と伝えた。さらに、リプレーを見ながら「間違いなく(捕手は)タッチしていません。キムはホームベースに全く触れていませんね」と指摘。そして、リプレー検証後には「(審判団が)ヘッドセットを外して出てきました。そしてアウトの判定が確認されました。ワォ」と驚きの声を上げ、「アメリカは幸運を掴んだかもしれません」と振り返っていた。
5-1で勝利した試合後、韓国のキム・ギョンムン監督は「タイミングとしては監督が出てアピールすべき場面だったかと思うが、本人がホームプレートを踏んだと言っていたので、監督としてチャレンジした。残念ではあったが、(判定)結果が出た以上は潔く認めるべきだと思います」と問題視せず。ただ、韓国紙「スポーツ朝鮮」はこのプレーを取り上げ、球審が日本人だったこと、スーパーラウンドが日本開催であることなどにも言及しながら「当然大会の全般的に“日本の影響力”を疑わざるを得ない状況である」と指摘。「勝って終わったものの、判定の影響で敗れていたら深刻な問題になるところだった。既に過ぎたことだと油断するのはまだ早い。単純な審判の能力問題ではなく“思惑”があるのか否かについて、今後の試合で念入りに観察し、対応することが必要である」と伝えていた。
16日の日韓戦は、決勝進出に向けてどちらも勝利が必要な状況になる可能性が高い。韓国にとっては、今大会で日本を除くアジア/オセアニア大陸の上位国1チームに与えられる東京五輪の出場権獲得へ向けても重要な一戦となる。1つのプレーを巡って白熱する場面もあるかもしれない。
(Full-Count編集部)