柳賢振が“1位票”を「1」獲得した意味 韓国メディア称賛「もう少しでCY賞」
30票中「29」の1位票を獲得したデグロムに完敗も…「名前を残した」
メジャーリーグでは、個人表彰が全て決定。13日(日本時間14日)に発表されたサイ・ヤング賞は、ア・リーグがジャスティン・バーランダー投手(アストロズ)、ナ・リーグはジェイコブ・デグロム投手(メッツ)が受賞した。前半戦で圧倒的な成績を残した韓国人左腕の柳賢振投手(ドジャース)は、後半戦の失速が響いてアジア出身者初の栄誉はならず。だが、1位票を1票獲得。韓国メディアは「もう少しでサイ・ヤング賞を獲得できた」「(歴史に)名前を残した」と称えている。
2年連続2回目の受賞となったデグロムは今季、32先発で204回を投げ、11勝8敗、防御率2.43、255奪三振の成績で最多奪三振に輝いていた。一方、柳賢振は今季29先発で182回2/3を投げ、14勝5敗、防御率2.32、163奪三振。アジア出身者初の最優秀防御率と奮闘したが、デグロムに軍配が上がった。
全米野球記者協会(BBWAA)に所属する記者の投票では、デグロムが30票中「29」の1位票を獲得する圧勝。柳賢振への1位票は「1」だった。ただ、韓国人投手としては歴史的なことで、韓国紙「中央日報」の英字版「Korea Joongang Daily」は「柳賢振はもう少しでサイ・ヤング賞を獲得できた」とのタイトルで特集。小見出しでも「2位になったことは、メジャーリーグのアジア人投手では最高の結果である」と快挙を称えている。
記事では「柳は投票での結果は悪かったかもしれない。30票のうち、彼を1位としたのは1票だった。しかし、1位の票を得たのは、メジャーリーグのアジア人投手としては彼が初めてであり、(歴史に)名を残した」と指摘。デグロムの勝利数は柳賢振より少なかったものの、イニング数と奪三振数で上回っていたという事実も伝えている。
前半戦は17試合登板で10勝2敗、防御率1.73という圧倒的な成績を残した柳賢振。オールスターの先発投手にも抜擢された。しかし、後半戦は12試合登板で4勝3敗、防御率3.18と失速。惜しくも投手最高の栄誉はならなかった。それでも、近年は故障に苦しんできた左腕にとっては復活のシーズンとなった。
同紙も「2019年の柳のシーズンは過去数年、彼がどのくらい怪我に苦しんできたかを考えると、より素晴らしく思える」と絶賛。そして、「この堅実なシーズンで、柳がメジャーリーグで彼のキャリアを続ける可能性が非常に高くなった。2018年のシーズンが終わったあと、柳はドジャースのクオリファイングオファー(QO)を受け入れたが、この契約が終了してフリーエージェント(FA)になった」と伝えた。規定額での1年契約を最高の形で終え、FA市場に出る柳賢振。サイ・ヤング賞投票で獲得した1票は大きな自信となりそうだ。
(Full-Count編集部)