明治神宮大会で「魂の50球」―鷹ドラ3津森に「勝利の方程式」入りの期待
守護神・森の“弟子入り”志願、甲斐野からも「この1年どうだったか聞いてみたい」
ソフトバンクは、チームにはいない右のサイドスロー、気持ちを前面に出した「ケンカ投法」、球持ちの良さを評価して指名した。今年の不調も織り込み済みだったため、仮契約の席で福山龍太郎アマスカウトチーフは「神宮大会で復調してきた。持ち味のボールの強さと投げっぷりの良さが存分に出ていたと思うので、改めていい縁があってよかったなと思いますね」と安堵。そして、プロ入り後に身体作りをすることで「球威もプラスアルファで出てくる」とさらなる成長を期待する。
「持ち味を生かして抑えたい」と西武打線との対戦を望んだ津森。中村剛也内野手や山川穂高内野手と右の大砲が並ぶだけに、福山アマスカウトチーフも「一番の強敵・西武さんのクリーンナップといい勝負をしてほしい。小細工や出し入れではなく、球威で圧倒していくような形でどんどん投げ込んで、バッターが嫌がるくらい胸元を突くピッチングをしてほしいですね」と話した。
役割については「理想とする働き場所は勝ちゲームのセットアッパー」と福山アマスカウトチーフ。津森もその自覚は十分で森唯斗投手への弟子入りを志願する。「どのように身体のケアをしたり、試合に合わせていったりしているのかなどを聞いてみたいです」。ルーキーイヤーの2014年から6年連続で50試合以上に登板する守護神から心得を学ぶつもりだ。
また、心強い“先輩”もいる。ルーキーながら65試合に登板した甲斐野央投手とは大学代表でチームメイトだった。プレミア12を観戦しながら改めて「凄いな」と尊敬。「この1年どうだったかを聞いてみたい。一緒に活躍したいなと思っています」と再会を心待ちにしている。津森は2、3年と大学代表を経験したが、4年生の今年は選出されず、悔しい思いをしただけに「そこでも、一緒にプレーしたいなという気持ちがあります」と将来の侍ジャパン入りも視野に入れる。
成長の階段を登ってきた東北福祉大のユニホームを脱いでから3日後、津森は練習を再開した。陸上トラックを3キロ走るが、設定されている12分を切ることができない。「短距離や中距離はいいんですけど、長距離は苦手」と、マウンドとは逆に弱音がポロリ。1年目の目標は「1軍にいって、中継ぎをしっかりと任せてもらえる投手になりたいです」と津森。3キロのタイム走もプロでの活躍につながる1歩だ。
(高橋昌江 / Masae Takahashi)