西武ドラ8岸を変えた代表監督の言葉 「それができたらすぐにNPBにいけるよ」
外野で見せていた“顔”は監督の一言で次の試合から改善
一度しか注意しなかったが、岸は次の試合から嫌な顔を見せず、外野からマウンドに向かって声を出すようになった。
「すごくいいものを持っている。ただ、そういう部分がNPBに行けない原因なんじゃないかなと思いました。みんながやっていなくても、そういうところができるかどうかはすごく大切です。岸は次の試合から変わってくれた。なので『お前がNPBに行きたいなら応援するよ』と言いました」
それから4か月後のドラフトで、西武から8位指名を受けた。大学時代は怪我に悩まされ、すべてが上手くいかなかった。それから3年が経ち、岸は人間的にも成長を遂げ、一度は諦めたNPBへの切符を獲得した。
「いい時は誰でもいいんです。悪い時にどうするか。そういう環境じゃないとか、いろいろ理由は付けられる。彼は成長してきている。NPBに行ったら面白いと思います。ただ、そんなに甘くない。独立リーグは年間70試合しかないので、シーズンを通して戦う体作りが必要だと思います。このオフからきちっとやって、どうやって結果を出していけるか、楽しみですね」
支配下選手最後の74番目に名前を呼ばれた23歳は、甲子園で躍動した高校時代から成長を遂げた姿を、NPBの舞台で見せてくれるはずだ。
(篠崎有理枝 / Yurie Shinozaki)