女子プロ野球を退団する24歳の次なる舞台 「今後は楽しいと思える野球が…」

来年はクラブチームで現役を続行予定「プロは結果がすべて。野球のことで精一杯だったので」

 女子プロ野球は先月1日、リーグに所属する選手の半数以上となる36人が退団すると発表した。その中に只埜も含まれており、今季でプロを引退することになった。だが、まだ24歳。「まだやりたい」との思いが本音。来年はクラブチームで現役選手として続ける予定だという。「プロは結果がすべて。野球のことで精一杯だったので、今後は楽しいと思える野球ができたら嬉しいですね」と希望を見出しており、まずは選手としての現役をまっとうするつもりだ。

 その上で、女子野球の環境も考えていく。只埜が小学生の頃は女子選手が「他のチームにいるかいないかのレベルで、1チームに1人いたら目立つレベルでした」という。少子化の影響から今では1チームの半分が女子選手というチームもあるほど。その良し悪しは置いておいても、以前と比べれば女子が野球をすることへの門戸は広がっており、女子の硬式野球部を創部する高校も全国的に増えている。東北地方では昨年、クラーク記念国際高仙台キャンパスで初めて創部され、来年は花巻東高(岩手)でも創部されるという話がある。

「東北にこんなにチームができているのが嬉しいですね。子どもたちが大人になっても野球ができる環境を作っていかないといけない。子どもも親も(生活や待遇、環境など)野球以外のことを不安に思わないで上に進める環境が今後、できていけたらいいなと思います。野球を続けて少しでもそういう力になれれば。6年間、プロでやってきたことは無駄にしたくない。今後も女子野球に携わっていけたらなと思います」

 寒風を物ともせず、元気にグラウンドを駆け回る小学生女子球児たちの姿を目にしてその思いは強まった様子だった。なお、大会はステップアップを目指すオープンの部では初参加の盛岡女子フレンズ(岩手)、オープンの部交流戦ではこまちガールズ(秋田)、野球を楽しむチャレンジの部では黒川レインボーガールズ(宮城)がそれぞれ優勝した。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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