DeNA関根、メキシコWLで初の決勝打 打率7位浮上も貪欲「また上げていけるように」
飛行機とバスで約8時間のハードな行程、麻薬取り締まりの荷物検査も経験
カリフォルニア半島の付け根にあり、アメリカとの国境に位置するメヒカリは盆地となっており、同リーグ10チームの中で最も寒い場所にある。冬は気温が氷点下となることも珍しくない。今回の遠征で、オブレゴンの選手たちは移動日の2日に飛行機とバスに分かれてメヒカリに移動。空路も直行便がないため、レギュラー陣は飛行機とバスを乗り継ぎ、約8時間かけてメヒカリ入り。一部の控え選手や監督、コーチ、裏方らバス組は日曜の試合後、夜行で約13時間かけてメヒカリに入った。
同リーグが開催されているメキシコ北西部はアメリカへの麻薬の通り道になっていることから、軍による検問が頻繁に行われており、バス組は道中で2度、検問を受け、深夜に全選手の荷物検査を命じられるなど、ハードな行程だった。チームは今後、5日の試合後にも再び飛行機とバスに分かれてオブレゴンに戻り、そのまま試合というハードスケジュールが待っており、気温が低い中での体力消耗、そして延長戦での投手陣の消耗を少しでも避けたい中での、関根の一打だった。
日本でも3月のオープン戦で気温が低い中での試合は経験しているが、試合会場が変わることで気温の変化をこれほど感じることはこれまでなかったという。「オブレゴンは涼しいくらいだった。同じ時期でこれだけ気温が違うということはなかったので、いい経験になっています」。この日は試合前のアップにより時間をかけて準備。試合途中からはユニホームの下にタイツを履いてプレーし、寒さをしのいだ。
当初は1割しかなかった打率も.315まで上昇してきたが、まだまだ今の数字に満足することはない。関根は「ここまで上がってきたことは嬉しいが、シーズントータルで考えないといけない。明日が大事。仕留めたい球を仕留められなかった打席もあるので、それをどうやって減らしていくか。考えてやっていけば、結果的に良くなっていくと思うので、またカード毎に上げていけるように頑張りたい」と、どこまでもどん欲だ。
前期リーグを首位で折り返したチームは、後期リーグでも単独2位に浮上。関根は「上位で試合ができるのはすごく嬉しいこと。日本よりもシーズンが短いので、その緊張感のある短期決戦の中でいろんなものを感じられる。その中で、チームが勝っている中でやれているのはすごく嬉しいですね」と、勝利の喜びをかみしめていた。
(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)