巨人菅野「来年はあのグラブ1つで…」新型グラブににじむ超一流の凄み

新型グラブとともに来季の復活を目指す巨人・菅野智之【写真:小谷真弥】
新型グラブとともに来季の復活を目指す巨人・菅野智之【写真:小谷真弥】

グラブ土手部分の革紐のとじ方を縦とじから横とじに変更する

 巨人の菅野智之投手は6日、大阪市内のミズノ大阪本社で行われた「ミズノブランドアンバサダーズミーティング」に出席し、来季から新型グラブを使用すると明かした。

 変更するのは補球する面の手首に近い「土手」と呼ばれる部分の革紐のとじ方。東海大相模時代から「縦とじ」を使ってきたというが、来季から「横とじ」のものに変更する。一般的に投手グラブに多い縦とじは土手部分がしっかりして型崩れにしにくいが、横とじは土手が柔らかくなるオールラウンド向けだ。

 プロ8年目での変更。理由はグラブを本塁方向へ出してから体に引きつけるまでのコンマ数秒にある。縦とじは親指と小指でつかむが、横とじは中指、薬指、小指を使ってグラブを閉じる。「(横とじはグラブを体の)内側に絞れるからです。(左手を)体に引き付けやすくなるんです」。グラブを引きつけやすくすることで、より体の開きを抑えられる。

 さらなる投球の高みを求めての変更でもある。「人によって体の作り、使い方も違うんですけど、僕は(投球の)全部を体の正面で終えたいんです。右腕のテークバックもあまり体の後ろに入りすぎない。なるべく後ろを小さく、体の正面を使って投げる。背筋を使って投げる投手ではないので。(ソフトバンク)千賀は背筋を使って投げる投手だけど、僕は真逆の投手です。(リリースまで)小さく小さく投げるので」。新型グラブで、より力のロスなくスムーズに。革紐のとじ方1つにこだわる姿勢に超一流の凄みを感じさせた。

 また、来季から紺色グラブを使用する。紺色は新人時代の13年から数年間使用していたカラーだ。「初心に帰る意味もやっぱりある。道具をコロコロ変えている時はダメですね。なんか自分でも迷っているのかなって思うし。来年はあのグラブ1つで」。今季は11勝(6敗)を挙げたものの、投球回136回1/3はプロ自身最少だった。新たな相棒で完全復活のシーズンとする。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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