多ければ月収30万超えも… 鷹のハニーズから見る球団チアの“裏側”

元ハニーズメンバーで現在ソフトバンク球団職員の関まどかさん【写真:福谷佑介】
元ハニーズメンバーで現在ソフトバンク球団職員の関まどかさん【写真:福谷佑介】

メンバー内でもオーディション、多いメンバーで月の収入は30万円を超えることも…

 ただ、メンバー内でも給与の額には差が生じるという。それはメンバー内でも出演を争うオーディションが実施されるからだ。「ダンスやMC、ビジュアルなどハニーズにその時必要な子を選んで決めています。全試合出られる子もいれば、2回に1回しか出られない子、3回に1回しか出られない子もいます」。メンバーとなってからも、厳しい競争が待ち受けている。

 メンバー内オーディションは年に3回。年3曲行われるオープニングパフォーマンスが新たに制作される毎に実施される。「曲によってレギュラーがいます。3曲ともレギュラーを取らないと、全試合に出ることはできなくなります。1曲目を取れても、2曲目取れるとは限りません」と関さん。レギュラーの人数は曲によって異なるが、決まったレギュラーが数人、残るメンバーの出演はローテ制になる。

 では、全試合にレギュラーとして出演できると、どれくらいの収入になるのか。月によって変動はあるが、多くて1か月でホームゲームは10試合から12試合ほど。試合に出演して得られる“試合給”は20万円から24万円ほどになる。そこに練習日に支給される手当、イベント出演でのギャラを加えると「月で30万円前後になる子もいると思います。同世代の会社勤めの女性と同程度の収入にはなると思います」(関さん)。

 球団の“チアチーム”と言うと、ボランティアだったり薄給で働いているようなイメージを持たれがちだが、ことソフトバンクの場合は違う。「実際には違いますね。エンターテインメントの部分もメディアさんに取り上げていただけるようになってきて、会社自体がハニーズを含めてエンターテインメントを盛り上げようという方向性になってきていました」。以前は現在よりも待遇も低かったようだが、「待遇面にも目を向けてくれるようになってきました。球団によって異なりますが、ホークスが待遇面は1番いいと思います」という。

「私もダンスを仕事にしたい、パフォーマンスでお客様に笑顔を届ける、そういうことを仕事にできたら幸せだなと思っていたけど、そういう仕事ってなかなかないんですね。こういう環境があるっていいな、と今でも思います。同じ思いを持っている人たちにハニーズという存在を知ってもらって、目指してもらえるような場所にしたいなと思っています。そういう人たちにちょっとでも興味を持ってもらえたら嬉しいですね」と関さん。今後、同じ道を目指す後輩達の夢を応援していた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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