決断は「今朝」 元鷹・吉村が琉球入りを決めたワケ「出がらし」「残る出汁振り絞る」
浦添のトライアウトを見学「その段階で入団について、どうこうというのは全然なかった」
入団の理由については「お話をいただいた小林社長、清水監督、寺原コーチ、井手コーチと、横浜時代一緒にプレーさせていただいた方々で『なんか縁があるのかな』と。また、沖縄は僕のプロ野球人生最初のキャンプ地で、そこから10年間お世話になりました。自分のキャリアとしては、ある程度、出汁を取りきった“出がらし”だと思うのですが、ここにいる若い選手たちと共に、最後に残っている出汁を振り絞ってやっていきたい」と、独特の表現で語った。
実は吉村、11月6日に浦添で行われた琉球ブルーオーシャンズのトライアウトに見学に訪れていた。「やると聞いていたので『どんなものかな』と、見に行きました。その段階で入団について、どうこうというのは全然なかったです」。そんな吉村が、これまでの野球人生の経験を振り返った時、「NPBを目指す球団があってもいいんじゃないかと」と思ったのだという。
「沖縄では、子供達がたくさん野球に取り組んでくれていますが、高校の先が続かない。それが勿体無いんじゃないかなと。この球団がいいものになっていくように、そこに僕が力になれることがあれば。(琉球の)トライアウトを見たとき、若い子たちが必死にアピールしていました。プロ野球で10何年もやらせていただいたので、あのトライアウトの次の日はみんな体が張っているんだろうなと。それくらい張り切っていたので、それを継続していくことが大事になってくるので、そういうところを伝えていきたい」
年齢は35歳。参加28選手の中では最年長だ。挨拶でも自ら「おじさん」と揶揄していたが、「自分が『おじさん』だと思ったら(動きや感覚が)鈍っちゃうので、負けずにね。ランニングもできますし、体も元気なので」と、選手として、まだまだ若手には負けない自信ものぞかせていた。環境が整っていなかったオランダでの経験を財産に、自身の残りの野球人生を、この新球団でどう形にしていくのか。35歳、老け込むのはまだ早すぎる。
(岩国誠 / Makoto Iwakuni)