鷹・柳田、球団史上最長タイの7年契約 メジャー封印の胸の内「そういう運命」

契約更改に臨んだソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】
契約更改に臨んだソフトバンク・柳田悠岐【写真:藤浦一都】

2020年中に海外FA権を取得見込みだったが、今季の怪我により取得できず

 ソフトバンクの柳田悠岐外野手が25日、ヤフオクドーム内の球団事務所で契約更改交渉を行い、2020年度から新たに7年契約にサインした。来季の年俸は現状維持となる5億7000万円プラス出来高払いで、その後は変動制。2017年オフに3年契約を結んでいたが、それを見直した。4年が経った2023年オフに、その後の3年の契約が決まる内容となった。(金額は推定)

 プロ9年目となった今季は開幕直後から9試合で4本塁打を放つなど好調だった。だが、4月7日のロッテ戦で左膝裏の違和感を訴えて離脱。肉離れで当初は全治3週間程度とされていたが、その後、かなりの重症であったことが判明し、1軍復帰を果たしたのは4か月半後の8月21日のオリックス戦だった。今季は38試合の出場に終わり、128打数37安打7本塁打23打点、打率.289と1軍定着後では最低の成績に終わっていた。

 この日はホークスカラーである黄色のネクタイ、黄色のバンドの時計を身につけて交渉に臨んだ柳田。会見でも「昨日買ってきました。しっかりアピールを」と語り、生涯ホークスを宣言し「最終的には長く野球ができるということですね。そこが1番嬉しかった。怪我して、全然野球していない。そういう選手に対して、こういう評価をしてくれたことに決め手かな、と」と語った。

 本来であれば、2020年シーズン中にも海外FA権を取得するはずだったが、今季の長期離脱により、それが叶わなくなった。「海外FAを取れると思って3年契約にした。怪我で取れないとなって、球団の方にそういう話をいただいて、そういう運命だったんだと思った」と語り、今季の故障により、メジャー挑戦の思いを封印してホークス一筋を貫く決意をした。

「プロに入って、プロでやるのが夢だった。その夢の中でやらせてもらっている。小さい頃を考えると幸せな舞台でやらせてもらっていると思った。これからホークスに入りたいという若い子たちに、ホークスに入ればこういう契約が取れるかもと思ってもらえるモチベーションを与えることで、チームがさらに強くなる。色々考えて契約して、皆さんにお話したという感じです」

 年俸5億7000万円、そして、2006年の松中信彦氏に並ぶ球団史上最長タイとなる7年という大型契約を結んだ柳田。その胸には日本プロ野球界の新たなパイオニアとしての道標となるという思いがあった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY