柳田ら主力離脱も周東ら活躍、育成にも好素材… 19年ソフトバンク野手陣を振り返る

ソフトバンクはファームも日本一! 来季の注目株は…

 1軍が3年連続の日本一に輝く一方で、ファームも強さを見せた。ウエスタン・リーグを1位で終えると、10月5日に行われたファーム日本選手権ではイースタン・リーグ王者の楽天に勝利。4年ぶりとなるファーム日本一に輝いた。ここでも触れている甲斐、周東はいずれも育成選手出身であるだけに、来季は新たなスターの誕生に期待せずにはいられない。ここでは、ファームで結果を残し、来季の飛躍が期待される選手を取り上げたい。(成績はいずれもファーム公式戦における成績)

 その筆頭が田城飛翔(たしろ・つばさ)選手だ。背番号は「135」の育成登録であり、昨季はファームでも出場は1試合のみだったが、今季はチーム最多の112試合に出場した。開幕ダッシュに成功し、3、4月度のファーム月間MVPに輝いたが、特に圧巻だったのは7月だった。16試合に出場し、猛打賞3回を含む月間打率.407の好成績を残した。

 シーズン通算でも108安打(リーグ1位)、打率.307(同2位)を記録。ファームには最多安打のタイトルがなかったものの、ウエスタン・リーグの優秀選手賞に選出された。来季は背番号を2桁にすることが第一目標となるが、今季の周東のように開幕直前に支配下登録を勝ち取る例もある。来季で21歳を迎える若き才能が完全開花となるか、注目だ。

 同じく出場機会を増やしたのが増田珠内野手だ。昨季の5試合から111試合へと出場機会を増やすと、シーズン通算でも打率.278(リーグ3位)、7本塁打(同10タイ)を記録した。7月の打率.240、8月も同.222と暑さで疲れが目立つ時期もあったが、9月には月間打率.327を記録して盛り返した。

 9月末には1軍昇格を果たし、2試合に出場。プロ初安打はお預けとなったが、貴重な経験となっただろう。同年代には日本ハム・清宮幸太郎内野手、そしてセ・リーグ新人王に輝いたヤクルト・村上宗隆内野手がいる。成長速度は選手それぞれであることは言うまでもないが、来季は1軍で増田選手の打席を1つでも多く見たいところだ。

 3年連続の日本一に輝く一方で、リーグ制覇は2017年以来遠ざかっている。記事内でも触れたが、今季は主力に故障者が続出し、ベテランに頼る場面も多かった。最後の最後で逆転を許した西武野手陣は、中村剛也内野手などのベテランから森友哉捕手などの若手まで、幅広い世代の選手が活躍していた。143試合を終えて頂点に立つためには、ベテランと中堅、そして若手の力がバランスよく揃っていることが求められる。

 そして、その可能性を持つ選手がソフトバンクには十分に在籍している。実際のところ、故障者が完全復活したプレーオフでは無類の強さを誇った。パ・リーグ王座奪還に向けて、万全の状態で開幕を迎えてもらいたい。

【動画】日本一に輝いたソフトバンクの2019シーズンレビュー

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