高木勇人加入のユカタンとメキシカンリーグとは? 給料や過酷な環境を現地通訳が解説

レオネス・デ・ユカタンの本拠地スタジアムであるパルケ・ククルカンの外観【写真:福岡吉央】
レオネス・デ・ユカタンの本拠地スタジアムであるパルケ・ククルカンの外観【写真:福岡吉央】

過去にメキシコでプレーして経験のある選手たちは…

 しかし、日本人にとって不利なのが、日本などアジア球界での実績がこのリーグではあまり意味を持たないことだ。それは、打者の特徴に大きな差があり、三振覚悟で強振してくるタイプの打者が多いこと。さらに投手の配球、ストライクゾーンが違うため、米国か中南米での実績しか参考にならないと判断されるからだ。

 昨季は3人の日本人が同リーグにキャンプから参加した。ブラボス・デ・レオンでプレーした久保康友投手の場合は、本拠地のレオンやその周辺に日本人の駐在員が多く住んでいたことから、日本人の集客を見越して獲得され、キャンプ序盤の時点で監督ではなく社長の意向によって開幕投手が内定していた。

 久保は前年の2018年に米国独立リーグの最高峰と言われるアトランティックリーグで結果を残していたことも要因だったが、このケースは例外。久保は2017年オフにもレオンからオファーを受けて合意に至りながらも、日本で通算97勝を挙げている実績だけでは評価されなかったのか、結局、チームに合流するための航空券が送られてくることはなかった。

 スルタネス・デ・モンテレイでプレーした荒波翔外野手も、最初は練習生からのスタートだった。キャンプで力を見せ、実力で定位置を勝ち取った。日本の独立リーグ、四国アイランドリーグplusの愛媛でプレーし、18年冬にコロンビアのウインターリーグで先発として結果を残し、ペリコス・デ・プエブラのキャンプに参加していた片山悠投手は、7人の外国人枠に残れず、開幕直前にメキシコを後にした。

 では、今年の高木の場合はどうなるのか一。ユカタンにはすでに優秀な先発陣がいる。昨季15勝2敗、防御率2.26で同リーグの最優秀投手賞を獲得したドミニカ人のセサル・バルデス投手はメジャー再挑戦のため退団予定だが、キューバ出身で、昨季13勝6敗、防御率3.22だったヨアネル・ネグリン投手はリーグで最多イニングを投げた久保と最後まで最多イニングの座を争った好投手だ。

7人の外国人枠を掴めないと開幕前に放出されることも…

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