元西武ビール売り子、メキシコWLでも奮闘中 「思い切って日本を飛び出しました」

販売ブースで商品をPRする女性スタッフらととも記念撮影に収まる織笠美里さん【写真提供:メキシコ大塚製薬】
販売ブースで商品をPRする女性スタッフらととも記念撮影に収まる織笠美里さん【写真提供:メキシコ大塚製薬】

2017年にメキシコへ、日系企業に勤務しながら今季からスポーツ飲料の売り子を始める

 中学時代から海外志向が強かったという織笠さんは、大学時代にはアメリカのマイナー球団で約2週間インターンも経験。ペンシルバニア州アレンタウンにあるフィリーズ3Aのリーハイバレー・アイロンピッグスでチームスタッフとともにイベント企画を考えたり、入場者にプレゼントを配ったりして野球ビジネスに触れたことがきっかけで、英語に続き、スペイン語の習得にも力を入れるようになったという。大学卒業後は、スペイン語を母国語とするメキシコで働くことを決め、17年に渡墨。日系企業で働き始めて3年目に「海外でスポーツに携わる仕事がしたかった」という長年の夢を叶えた。

「アメリカの野球界にはラテンアメリカ出身の選手もたくさんいるし、お客さんもそう。将来、海外でスポーツに関係した仕事がしたいと思っていたので、英語だけでなく、スペイン語の必要性を感じたんです。大学卒業後は、日本で就職することも考えましたが、若い方がいいかなと思って、思い切って日本を飛び出しました」

 そんな織笠さんが応援するチャロスは今季、10チーム中8チームが出場権を得るプレーオフに進出。織笠さんもスタンドを歩き回りながら、チャロスの優勝、そして、中南米の王者を決めるカリビアンシリーズ出場を願っている。

「メキシコは日本よりも試合時間が長いので大変ですが、やりがいもある。昨季も優勝した試合を見に行きましたし、今季もぜひ目の前でチャロスの優勝が見たいですね」

 そして織笠さんはこうつけ加えた。「今後転勤する可能性もあると思うので、もしメキシコ内で転勤先に夏のリーグのチームがあれば、夏も売り子をやりたいと思っています」。異国の地で現地のメキシコ人に混ざってドリンクを売り歩く織笠さんの目は、キラキラと輝いていた。

(福岡吉央 / Yoshiteru Fukuoka)

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