eBASEBALL、昨年MVPの西武・緒方寛海が就職を機に引退表明 「すべきことは3連勝のみ」
今季はここまで5試合に登板し3勝1敗1分で第4節までを終えている
「eBASEBALL プロリーグ」2019シーズンで埼玉西武ライオンズ代表選手としてプレーしている緒方寛海選手が自身のツイッターを更新し、今シーズン限りでの引退を表明した。
大学卒業後の地元・福岡での就職を機にプロリーグからの引退を決意したという緒方。「このことはシーズン開始前から決めており、運営さんと話し合った結果、このタイミングでご報告させていただく運びとなりました」と経緯を説明。
緒方は昨シーズン、パ・リーグ首位打者、最多本塁打、最多打点、最優秀防御率の4冠を獲得。e日本シリーズでも活躍し、西武を初代eBASEBALL日本一に導いた立役者だ。最優秀選手にも選出された緒方が昨季得たプロモーション協力費(報酬)は約300万円。一躍時の人となったMVP男の突然の引退発表に、ファンだけではなくプロプレイヤーからも惜しむ声が上がっている。
小3時に父親からプレゼントされた「パワプロクンポケット8」をきっかけにパワプロシリーズにのめりこみ、プロプレイヤーとして最高峰の舞台まで上り詰めた。継続選手として迎えた今季は、ここまで5試合に登板し3勝1敗1分で第4節までを終えている。
第3節では、楽天・三輪貴史選手の前に敗れ、プロ初黒星を喫した。それでも「負けて学んだことも多かった」と切り替え、「今までが強気すぎたと思う。負けることを知らなさすぎた。気を引き締めて、初心に帰ろうと思った」と前を向いた。王者のプライドを捨て、第4節ではロッテ・清野敏稀選手との接戦を粘り強く戦い抜き、サヨナラ勝利でものにした。勝利の瞬間は、チームメイトと抱き合って安堵の表情を見せた緒方。敗戦をきっかけに、引き出しを増やした。
西武は第4節を終えて首位・ロッテと4ゲーム差の最下位に沈んでいるが、eクライマックスシリーズ出場の可能性はわずかながら残されている。緒方は「eクライマックスシリーズ出場権を勝ち取るために、我々ライオンズのすべきことは3連勝のみ。『絶対に勝つ』という強い気持ちを持って第5節は強敵・ソフトバンク戦に臨みたい」と意気込んだ。
「eBASEBALL プロリーグ」2019シーズンのeペナントレース第5節は、お台場・フジテレビ内特設ステージにて1月11日にパ・リーグ、12日にセ・リーグの試合がそれぞれ行われる予定。eBASEBALLの黎明期を華やかに彩った緒方の雄姿に注目が集まる。
(安藤かなみ / Kanami Ando)