惹きつけられる嶋基宏の人間性 自主トレで見えたリーダーシップ、気配り、笑い…
昼休憩時には甲斐から報道陣に昼食が差し入れ、タコライスを発案したのは嶋
この日の昼休憩時には集まった報道陣全員に甲斐から昼食の「タコライス」が差し入れられた。タコライスの創始者の店である「キングタコス」の品だったが、この「タコライス」をアイデアとして出したのも嶋だったという。終始、明るい雰囲気で行われていた嶋と甲斐の自主トレ。そこには嶋の人柄が現れているようだった。
「練習でも声を出しますし、今日も練習していても周りを惹きつけるものがある。自然とこっちも笑顔になって、付いていこうと気持ちになる。僕もそういう風になりたいと思いますし、ならないといけない。そのためにこの自主トレをお願いしましたし、何か支えられる選手になりたいと思う」
自主トレ公開を終えた甲斐は、嶋の人間性と憧れについてこう語っていた。東日本大震災の直後に「見せましょう野球の底力を」とスピーチし、多くの感動を誘った嶋。日本プロ野球選手会の会長を務め、楽天のキャプテンとして初のリーグ優勝と日本一にチームを導いた。中学、高校、大学、そしてプロとキャプテンを任され続けてきたことも、嶋のキャラクターを表していると言えるのではないか。
普段、嶋を取材していたわけではないのだが、この日の姿に特段、惹きつけられるものがあった。13年間在籍した楽天から、今季はヤクルトへと移籍する嶋。新天地で再び活躍し、球界を盛り上げてくれることを期待したい。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)