仙台育英は最速140キロ以上が7人 投手陣が熾烈な争い「誰が入ってもいい」
東北大会は打力爆発で制覇も失点多く…投手力強化に「向き合ってやってきた」
第92回選抜高等学校野球大会(3月19日開幕)の出場校が24日に決定し、仙台育英(宮城)が3年ぶり13度目の出場を決めた。東北勢にとって悲願の甲子園制覇に期待がかかるが、チーム内には最速140キロ以上の投手が7人まで増加。課題となっていた投手力を“武器”に変え、頂点を目指す。
東北大会の全4試合で2桁安打、計68安打と打ちまくり、選抜切符を手繰り寄せた仙台育英。打率6割を記録した田中祥都主将も「今年のチームの良さはやはり打力だと思っています。全員がヒットや長打を打てる」と胸を張る。一方で、投手陣は4試合で計19失点と苦戦。背番号8ながら、昨秋は東北大会以外も含め8試合に登板して45奪三振、防御率2.84と急成長した向坂優太郎が“救世主”となった。
須江航監督は「特に投手が安定してくれば十分に戦えるだけの戦力はあると思うので、そこを重点的に11、12、1月とやってきました。東北大会を受けて、失点が非常に多かったので、いかに選抜で投手が力量が発揮するかということだけに向き合ってやってきました。神宮もそのために戦いましたから」と“弱点”克服に着手。そして「新しいピッチャーの台頭を期待してメンバーを入れ替えてやったわけで、おかげさまで功を奏して底上げになりましたよね」と確かな成果を手にしたという。
現在は「本当に10人でベンチ入りの投手枠を争ってます。向坂が実績と総合力で抜けてますけど、あとの9人は誰が入ってもいいと思います。(決め手は)その時の調子です」という状態。昨夏の甲子園に出場し、スーパー1年生と騒がれた左腕・笹倉世凪、右腕・伊藤樹を含めて、ハイレベルな争いを繰り広げている。
最速140キロ以上を誇る投手は7人。指揮官は「笹倉が公式戦では147キロ。練習ではもっと出てますけど。伊藤が146キロ、菅原が144、阿部も144キロ、吉野が142キロ、向坂が141キロ、松田が140キロ」と明かす。「それがいいピッチャーだとは言ってないですから」と笑うも、「(球速は)あるに越したことはないですからね」とも話した。ここからの争いで、選抜までにさらにレベルアップすることもありそうだ。
須江監督は「やはり優勝したい。それを狙えるだけの位置にはいると思います。おそらく12校くらいに(優勝の)チャンスがある大会。とにかく本番で思い切ってのびのびできるように準備にこだわりたいです」と東北勢悲願の甲子園制覇に意欲を見せる。最速140キロ台の投手たちが力を発揮すれば、頂点は見えてくる。
(Full-Count編集部)