花咲徳栄・岩井監督が語る3つのキーワード 女子マネジャーにも求められる“自立”

花咲徳栄の女子マネジャーも率先した行動で部に貢献している【写真:荒川祐史】
花咲徳栄の女子マネジャーも率先した行動で部に貢献している【写真:荒川祐史】

花咲徳栄は2017年に夏の甲子園で優勝、選抜は2003年の8強が最高

 第92回選抜高校野球大会(3月19日開幕)に出場する32校が24日に発表され、花咲徳栄(埼玉)が4年ぶり5度目の出場を決めた。2017年夏に全国制覇した岩井隆監督は出場を決めたナインを前に、3つの言葉を語った。

「まず決意。日本一を取るという決意。次に覚悟、辛い練習や勝負への覚悟。そして結束。全員で乗り込んでいく」

 この言葉には岩井監督のある思いが込められている。「うちは上下関係なく1人1人が自立することを目指している。ただ、そうしたら上級生は自立できたが、下が緩くなっている。考え方が緩い、と感じる。緩くなっているから関東大会も1つ取れなかった」。

 昨秋は埼玉大会を制したものの、関東大会では準々決勝で山梨学院に敗れた。春の選抜では関東・東京の6枠に入ったが、勝ち取ったというよりは滑り込みの印象が強い。岩井監督が「まだまだ未熟なチーム」と語るのは、この“自立”の面が大きいのだろう。

 自立を求められるのはプレーヤーだけではない。152人の部員を支える女子マネジャーは18人(うち6人が卒業の3年生)だが、基本的に毎年、マネジャーは募集されていないという。女子マネジャーの林愛美さん(2年)は「花咲徳栄のマネジャーになりたくて入学したけれど、簡単には入部させてもらえなくて、グラウンドに通いました。入部してからも仕事は自分で探した」という。そして多くのマネジャーがいても、洗濯などは選手自身が行う。部内の誰もが自立し、行動することを求められている。

 岩井監督が撒いたその思いは、芽を出し始めている。高校通算47本塁打の主将、井上朋也内野手(2年)も「前はかなり怒られていたが、自覚が出てきた」と3年生の引退でひとつ成長を遂げたといい、「去年までだったら、負けている時は先輩に引っ張ってもらった。今は自分のことを考えるとチームがバラバラになってしまう」と危機感も抱いている。和気あいあいとした雰囲気のいいチームではあるが、更に上に行くにはそれだけでは足りない。岩井監督は「命がけとまでは言わないが、そのくらい(の気持ち)でやらないと全勝はむずかしい」と語った。

 選抜大会は2003年のベスト8が最高。現在の2年生は2年連続で夏の甲子園に出場したが、いずれも2回戦(昨年は初戦)で敗退した。悔しさを糧に自立し、花咲徳栄初の選抜優勝を果たせるか。

(Full-Count編集部)

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