選手の“ハイタッチ損傷”は防ぎたい…NPB9球団が集結する沖縄キャンプの歩き方
各キャンプ地の練習メニューは要チェック、
○スケジュール
宮崎同様、キャンプ地の入り口にはその日のキャンプの練習メニューが書かれた紙が掲示されるので要チェック。また沖縄キャンプは、全エリアのガイダンスが掲載されたガイドブックが無料配布されるのでぜひゲットしよう。
沖縄は冬でも気温は15度以上。冷え込むことはほとんどないので、宮崎キャンプよりも始動が早い。ウォームアップからキャッチボールやペッパー、守備練習などのメニューは宮崎と変わらないが、スケジュールは30分~1時間程度早い。昼前に投手がブルペンで投球練習をすることもある。昼からは打撃練習や個別の練習が行われる。北谷町の中日キャンプでは、午後にサブグラウンドで「特守」が行われることもある。若手選手が真っ黒になってゴロを追う姿は一見の価値ありだ。
石垣のロッテキャンプは気温20度を超え、この時期でもタクシーではエアコンがかかっていることもある。始動はさらに早く、10時前に投手がブルペンに入ることもある。石垣市では2月8、9日には今季から楽天傘下となった台湾プロ野球の楽天モンキーズとの練習試合が行われる。
巨人、広島の1軍は、宮崎県での1次キャンプを終えて沖縄入りする。沖縄では実戦中心のメニューになり、練習試合が多くなる。午前中に全体練習をして、午後は他球団のキャンプ地に移動することも多いので、スケジュールは要チェックだ。沖縄では韓国プロ野球も春季キャンプを張っている。韓国チームとの対戦も沖縄キャンプの楽しみだった。昨年は7球団が沖縄でキャンプを張ったが、今年は日韓関係の悪化で、三星ライオンズが恩納村で、LGツインズがうるま市でキャンプを張る以外は中止になる模様だ。
○食事・グッズ
巨人の那覇キャンプは、巨人の1軍がキャンプインする2月15日以降は周辺の屋台がぐっとにぎやかになる。沖縄グルメの店が数多く出店する。日本ハム1軍の名護キャンプは多彩な出店で賑わっている。地元名産あぐー豚の屋台などが人気だ。金武町の楽天2次キャンプでは、この町が発祥とされる「タコライス」の屋台やキッチンカーが並んでいる。石垣市のロッテキャンプでは、例年、肉を中心としたがっつり系の屋台が並ぶ。
2軍キャンプは出店はほとんどないが、読谷村の中日2軍キャンプは土日に地域の店舗が賑やかに店を並べる。1軍はどのキャンプ地も公式グッズを販売している。キャンプ限定グッズは売り切れることも多いので、要チェックだ。
○気を付けたいこと
どの球団でも選手にはファンサービスを奨励しているが、選手はあくまで「練習」のためにキャンプに来ている。サインは球団が指定した場所で、選手が了承した場合のみ可能だと考えるべきだろう。広報スタッフが立ち会っている場所でサインをもらうのが基本だ。タイミングとしては練習が終わった午後3時以降がベストだ。
昨年の中日キャンプでは、松坂大輔投手(現西武)が、ファンに腕を引っ張られて負傷をする事件が発生したが、選手にタッチするのは絶対にやめたいところだ。
沖縄キャンプで目立つのは、選手へかけ声だ。子どもなどが選手を呼び捨てにするのを聞くこともある。選手にとっても周囲のファンにとっても気持ちの良いことではないので「〇〇選手」と呼ぶように心がけたい。沖縄のキャンプ地では地元住民が場内整理や清掃などの業務についている。スタッフではなくボランティアの人も多いので、サービスされたらきちんとお礼を言うなど丁寧な対応をするのもマナーの内だ。実は2月の沖縄は雨が多い。突然の集中豪雨などもある。バッグの中に折り畳み傘を忍ばせておきたい。
(広尾晃 / Koh Hiroo)