西武金子&木村は上位へのつなぎ役として2連覇に貢献 パ6球団の9番打者の昨季成績は?
ソフトバンク甲斐は8番で10本塁打も9番では1本塁打…
【千葉ロッテマリーンズ】
藤岡裕大選手:43試合
9番時:137打数35安打 1本塁打 11打点 2盗塁 3犠打 打率.255 出塁率.287 OPS.637
シーズン:81試合 250打数66安打 2本塁打 21打点 3盗塁 10犠打 打率.264 出塁率.306 OPS.658
三木亮選手:22試合
9番時:63打数13安打 1本塁打 8打点 2盗塁 5犠打 打率.206 出塁率.265 OPS.535
シーズン:89試合 126打数27安打 2本塁打 15打点 5盗塁 8犠打 打率.214 出塁率.270 OPS.556
ルーキーイヤーの2018年には主に2番打者を務めた藤岡だったが、昨季は9番打者としての出場が中心に。負担の大きい遊撃手としてはまずまずの打率でチームに貢献したが、出塁率の向上が上位にチャンスで回すためのカギとなりそうだ。藤岡が故障で不在だった時期には主に三木が代役を務めたが、成績面では少なからず差が生じていた。ムードメーカーとして貴重な存在なだけに、来季はバットでもチームを盛り立てたいところだ。
【オリックス・バファローズ】
若月健矢選手:59試合
9番時:140打数21安打 0本塁打 8打点 1盗塁 14犠打 打率.150 出塁率.232 OPS.403
シーズン:138試合 298打数53安打 1本塁打 21打点 2盗塁 25犠打 打率.178 出塁率.241 OPS.459
2019年は138試合に出場して正捕手の座を確固たるものにした若月だったが、シーズン打率は2018年の.245から大きく低下。9番を任された試合では成績がさらに悪化し、残念ながら寂しい数字となってしまった。それでも9番として14個の犠打を決めており、シーズン25犠打は源田壮亮選手(西武)と並んでリーグトップタイ。来季はつなぎ役としてだけでなく安打や出塁率でも打線に貢献し、捕手としてさらなる飛躍を果たせるか。
【福岡ソフトバンクホークス】
甲斐拓也選手:44試合
9番時:119打数26安打 1本塁打 6打点 4盗塁 7犠打 打率.218 出塁率.309 OPS.570
シーズン:137試合 377打数98安打 11本塁打 43打点 9盗塁 23犠打 打率.260 出塁率.346 OPS.733
自身初の2桁本塁打と打率.260を記録し、シーズン通算の成績ではキャリアハイと言える数字を残した甲斐。9番での打撃成績はやや低調で、各種の数字でもシーズン通算のものとは明確に差が出ている。8番を務めた試合では74試合で打順別で最多となる10本塁打を放っているが、9番では44試合でわずかに1本塁打のみ。打撃面で長足の進歩を遂げたシーズンなだけに、打順によってここまでの差が生じたのは意外と言える。
今回取り上げた選手の中では、強力打線の一角として主力を務めた西武の2人が存在感を発揮した。とはいえ、傾向としてはやはりほとんどのチームで9番打者の犠打が多くなっており、ラストバッターが得点圏に走者を進めてくれればそのまま上位打線につながっていくという、パ・リーグらしい戦い方を多くのチームが踏襲していると言えそうだ。
また、西武の木村と金子、楽天の堀内と太田の4人は9番として出場した時の成績がシーズン平均を上回っていたが、それ以外の選手は全て9番で出場した際の成績がシーズンを下回っていた。9番目の打者ということで、より上位の打順を担っている時に比べればマークが薄くなると思われがちだが、甲斐のように8番時に比べて極端に数字が悪くなっている選手がいるのも興味深いところだ。
明確に打線の切れ目になりうる投手が打席に入らない以上、打線のつながりという意味でも9番打者が持つ役割は決して小さくない。そのことは、西武の2選手がチームの得点力向上の一助となっていたと今回の数字でも証明されているであろう。来季は各球団でどんな選手が打線の最後尾から上位につなぐ役割を果たすのか、注目してみてはいかがだろうか。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)