球団スタッフもキャンプで奮闘 鷹打撃投手兼広報の柳瀬明宏氏「選手を第一に」

現役引退後にソフトバンクの球団職員となった柳瀬明宏氏【写真:広尾晃】
現役引退後にソフトバンクの球団職員となった柳瀬明宏氏【写真:広尾晃】

柳瀬氏はソフトバンクでセットアッパーとして活躍、通算52ホールドを記録

 プロ野球の春季キャンプが1日、宮崎県、沖縄県でスタート。日本シリーズ3連覇中のソフトバンクは宮崎市の生目の杜運動公園でキャンプを迎えた。

 ソフトバンクのキャンプは1軍、2軍、3軍の全メンバーが参加する。1か所でのキャンプとしては12球団でも最大級の規模だ。恒例の12分走から始まり、選手たちは2月いっぱい、この地で鍛錬する。そして選手たちをサポートするスタッフも宮崎の地で始動する。

 柳瀬明宏氏は如水館高、龍谷大から2005年大学生、社会人ドラフト6巡目でソフトバンクに入団。177キロ、76キロと大きくはなかったが、最速148キロの切れ味の良い速球とフォークを駆使してセットアッパーとして活躍。2017年に阪神に移籍してこの年限りで引退。通算52ホールドを記録した。引退後はソフトバンクに復帰し、球団職員に転身。当初は、ジュニアアカデミーのコーチを務めていたが、2018年6月に広報兼打撃投手となった。

「次の世代を育成する仕事にもやりがいを感じていましたが、帆足和幸さんが故障されて打撃投手ができなくなったため、急遽、僕が帆足さんと交代してチームスタッフに復帰したんです」

 シーズン中は、試合前に打撃投手として野手陣に投げる。試合中は広報としてベンチ裏に待機し、選手のコメントなどを報道陣に伝える役割などをする。春季キャンプ中の役割も基本的には変わらない。

「打撃練習として野手の方に投げています。現役の時はバッターを抑えよう抑えようと思って投げていましたが、今の仕事はそれでは通用しないので、打者の方に気持ちよく打ってもらうことを心掛けて投げています。コースなどを注文する選手もいるので、できるだけそれに応えたいと思います。結構難しいですが、どんな要求にでも応えるように努力するのが大事なのかなと思います。とにかく打者が試合でいい結果を出すのが一番ですから」

 打撃練習が終わると、報道陣の囲み取材などで選手をエスコートする業務に就く。「どちらの仕事も選手のためになることを第一に考えています」。

 引退当初は、まだ自分でやりたいという悔いのようなものがあったという。

「でも、もう3年近くたったので、自分でできることを何でもサポートしていきたいなという気持ちで働いています。将来的にも野球に携わりたいという気持ちがありますし、その中でももっと勉強をして、選手を教える仕事に就けたらいいなと思います。もちろん、今年は与えられた仕事で精いっぱい頑張っていきたいと思います」

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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