デスパイネは本塁打&打点の2冠 過去5年で国内移籍した助っ人初年度の成績は

16年にロッテで24本塁打のデスパイネは翌17年にホークスで2冠王

【2017年】
○アルフレド・デスパイネ(ロッテ→ソフトバンク)
2016年:134試合 496打数139安打 24本塁打 92打点 89三振 打率.280 出塁率.361 OPS.841
2017年:136試合 478打数125安打 35本塁打 103打点 119三振 打率.262 出塁率.347 OPS.860
獲得タイトル:本塁打王、打点王、ベストナイン(指名打者)

○ルイス・クルーズ(巨人→楽天)
2016年:81試合 298打数75安打 11本塁打 37打点 40三振 打率.252 出塁率.280 OPS.689
2017年:13試合 37打数6安打 0本塁打 2打点 4三振 打率.162 出塁率.162 OPS.378
(2017年の数字は楽天移籍後のもの)

 前年まで3シーズンにわたってロッテの主砲を務めたデスパイネ選手は、ホームランテラスが設置されたヤフオクドームにおいてその打棒にますます磨きをかけた。確実性こそ落としたが、長打力は向上し、自身初となる30本塁打、100打点超えを記録。来日後初めてとなる打撃タイトルも2つ同時に獲得し、補強の目玉としての期待に応えてチームの日本一にも大きく貢献した。

 クルーズは茂木栄五郎、カルロス・ペゲーロ、藤田一也といった主力選手たちが相次いで故障で戦列を離れたことを受け、遊撃手を守れる存在として白羽の矢が立ち、7月末に緊急補強として巨人から楽天に移籍。2015年まで在籍していたロッテ時代以来のパ・リーグ復帰となった。だが、打撃面で精彩を欠いて前年から大きく成績を落としてしまい、苦しむチームの救世主とはなれなかった。

【2018年】
なし

【2019年】
○ブランドン・レアード(日本ハム→ロッテ)
2018年:120試合 450打数105安打 26本塁打 65打点 124三振 打率.233 出塁率.309 OPS.756
2019年:139試合 487打数121安打 32本塁打 89打点 128三振 打率.248 出塁率.333 OPS.816

○スティーブン・モヤ(中日→オリックス)
2018年:46試合 93打数28安打 3本塁打 16打点 25三振 打率.301 出塁率.347 OPS.788
2019年:64試合 242打数59安打 10本塁打 35打点 59三振 打率.244 出塁率.278 OPS.675
(2019年の数字はオリックス移籍後のもの)

 2018年に故障の影響で来日以来3年間続いていた30本塁打、90打点の記録が途絶えたレアードだったが、新天地で迎えた2019年は開幕から絶好調を維持して打線を牽引。終盤に大きく調子を落としたものの、32本塁打、89打点と日本ハム時代とほぼ同水準の好成績を記録。期待通りの活躍で前年まで深刻な長打力不足に悩まされたチームを支え、幕張でも陽気なキャラと「寿司ポーズ」でファンの人気を集めた。

 ロメロの故障もあって同じく長打力不足に陥っていたオリックスは、シーズン途中の6月末に中日からトレードでモヤを獲得。中日時代は外国人枠の影響もあって1軍での出場機会が多くなかったが、オリックスでは64試合で10本塁打を放った。まだ28歳と今後の成長も見込める年齢であり、大物助っ人のアダム・ジョーンズが新たに加入する今季は相乗効果でさらなる進化を見せてくれるか。

 今回取り上げた選手たちの中で、移籍先のチームにおいて本来の実力を出しきれなかったのはブランコとクルーズの2人のみ。もちろん、過去には移籍前から大きく成績を落とした国内移籍組も少なからず存在したが、近年の例においてはおしなべて期待値は高いと言えそうだ。

 2018年には国内球団からパ・リーグの球団に移籍した外国籍選手が1人も存在せず、2016年、2017年、2019年も開幕の時点で同条件を満たしていたのはそれぞれ1人だけ。傾向的にも明らかに少なくなっていた中で、今季は国内移籍組がすでに3人も存在することは特筆すべきことではなかろうか。

 近年活躍してきた先達たちと同様に、今オフに国内移籍を選択した選手たちも、新天地の首脳陣の期待に応えるようなプレーを披露できるか。その能力を見込まれてチームに迎えられる選手たちが、まさに「助っ人」の呼び名にふさわしい働きを見せてくれることに期待したいところだ。

(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)

(記事提供:パ・リーグ インサイト

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