球団経営と企業経営は「全く一緒」 ロッテ河合オーナー代行が語る「経営論」

忘れられない2005年日本S第1戦 「神様が下りてきたと思うくらい幻想的で」

 河合オーナー代行が目指すのは「3年後、5年後に絶えず優勝争いをするチーム」を作ることだ。「井口監督が非常に引きが強い」と絶賛するように、2018年ドラフトでは藤原恭大、2019年ドラフトでは佐々木朗希と、複数球団が競合した目玉選手を1位で獲得。3年目の安田尚憲も含め、若手には「将来のスター候補がいっぱいいる」。彼らが1軍の主力となる3年後、5年後に向けて、「チームの土台を他球団と戦える高さまで積み上げながら、その間に若手を育成して本当に強いチームを作る」ためにバックアップを惜しまない。

 実際に球場へ足を運び、ファンにロッテの野球をリアルな体験として感じてほしい。この河合オーナー代行の願いは、自身の体験に基づいている。

「リアルで見るスポーツコンテンツの強さは、ラグビーワールドカップでも証明されました。やっぱりファンは、その場で同じ空気を吸いたい。一度体感してしまった人は、あの興奮を忘れられないんですよ。私も2005年日本シリーズ第1戦のある場面が、ずっと頭に残っています。マリンスタジアムの辺りは10月になると霧が発生するんですよ。球場を丸く照らすライトの中にパーッと霧が下りてきて、そこへ7回に里崎(智也)がホームランを打った。あの時の光景は、神様が下りてきた、と思うくらい幻想的で、あのイメージは今でも残っています。絵に描けと言われたら描けるくらい。あの感動を1回知ってしまったら、また味わいたいと思いますよ。あの場にいないと、絶対に感じられないことですから」

 1人でも多くのファンが、球場でかけがえのない瞬間を体験できる。そんな魅力あるチームにするために、今後も強化と整備の手は緩めない。

(第3回に続く)

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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