コントロールが悪いからじゃない? 日ハム有原らパ投手の暴投を徹底検証

西武松本航、今井は早いカウント、変化球で暴投を記録した

西武・松本航(8暴投)

・6月2日ロッテ戦 2回裏無死一塁 0-0からのカーブ(2個目)

 2回裏、先頭の4番・井上に安打を浴びて無死一塁となった場面。続く4番・レアードに対して初球に投じたカーブは、外角に大きく外れて左打席でバウンドする。捕手の森がうまく止めたものの、一塁走者の井上が好走塁で二塁へ進んだ。この試合では、5回裏にもカウント1-0からカーブで暴投を記録し、一塁走者の進塁を許した。

・7月7日ロッテ戦 5回裏1死二塁 1-0からのカーブ(5個目)

 1-0とリードして迎えた5回裏、自らの失策で2点を奪われて逆転を許した場面。なおも1死二塁で相対した荻野に対し、カウント1-0から投じたカーブは左打席へ。高く跳ねたボールを捕手の森が見失っている間に二塁走者が進塁した。

・8月19日ソフトバンク戦 4回裏2死三塁 0-1からのスライダー(7個目)

 同点の4回裏、打席に立つ福田に対して初球のカーブでストライクを取ったものの、続く2球目に投じたスライダーが暴投に。打者の足元をすり抜ける間に三塁走者が生還し、痛恨の勝ち越し点を許した。

 松本の暴投に共通していたのは、その多くが「早いカウントで投じられた変化球」であったことだ。有原と相反して、追い込んでから投じられたものは2球のみで、半数は2球目以内のもの。これに加えて直球での暴投はわずかに1つと、はっきりとした特徴が表れている。

 また、暴投を記録した試合は防御率5点台後半となっており、シーズン成績(4.54)と比べて1点以上悪化している。2020年のさらなる飛躍に向け、早いカウントでの変化球の制球が1つの課題となるかもしれない。

西武・今井達也(7暴投)

・4月6日日本ハム戦 5回裏2死二塁 0-1からのカーブ(1個目)

 12点と大量援護に恵まれたこの日。4回まで無失点と好投が続いていたが、5回裏に西川の本塁打などで2点を失う。なおも2死二塁のピンチで横尾を迎える。1球目のカーブでストライクを取ると、2球目にも同じくカーブを選択。しかし、これが打席のはるか前で跳ねてしまい、二塁走者の進塁を許した。

・5月11日日本ハム戦 3回裏1死三塁 3-1からのカーブ(3個目)

 両チーム無得点で迎えた3回裏に先制点を許すと、なおも1死三塁の場面で中田と相対する。カウント3-1となって投じたカーブは、捕手・森のミットが伸ばしたミットのわずかに先でバウンドし、バックネット方向へ。三塁走者が生還し、痛恨の追加点を与えてしまった。

・7月15日ロッテ戦 2回表2死満塁 0-0からのスライダー(6個目)

 4-1と援護点をもらった直後の2回表、1点を失い、さらに2死満塁となった場面。清田に対して、初球にカーブを投じると、外角に大きく外れた投球は左打席で跳ね、森も止めることができず。ボールが高く上がっている間に2人の走者の生還を許し、試合は振り出しに戻った。

 今井の暴投は、松本と同じ「早いカウント」そして「変化球」という特徴があった。7月5日に記録したものがマウンドで転倒したものであったことを踏まえると、変化球での暴投は83%となり、松本よりも顕著な数字となった。

 内訳を見ると、カーブ、スライダー、そしてチェンジアップと3種類の変化球で暴投を記録。チェンジアップでの暴投だけは、カウント2-2と追い込んでからのものだった。カウントを取る変化球、そして三振を取る変化球と使われ方の違いが表れており、それぞれの精度を上げていくことが2020年のテーマになりそうだ。

西武高橋光の暴投も決め球フォークで記録、捕手のブロッキングにも関係?

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