西武新助っ人右腕は“異色経歴”の持ち主 学生時代は「機関銃を担いで行進」

「“攻撃的”な投球を見てほしい」と自身の強みをアピールしたギャレット

 西武の新外国人右腕、27歳のリード・ギャレット投手(前レンジャーズ傘下3A)は7日、夫人の出産に立ち会ったため来日が遅れ、前日に宮崎・南郷キャンプに合流したばかりにも関わらず、早速ブルペン入りし捕手を座らせて35球を投じた。

「妻に付き添いながらも、毎週4日は練習、2日はブルペンに入っていたから、状態はいい。きょうの力の入れ具合は80%。肩はもうすぐできあがるよ」と自信満々。辻発彦監督をして「仕上がりが早いね」と喜ばせた。

 この日は雨天の影響で肌寒く、白い息を吐いていたギャレットだが、「自宅のある米バージニア州はもっと寒い」と事もなげ。高校卒業後には、もっと過酷な環境に身を置いていたのだから、そう言うのも当然か。

 というのも、ギャレットは4年制のバージニア州立軍事学校出身。メジャーリーグにドラフトされたのは同校史上2人目で、「軍事学校出身の選手自体、珍しいと思う。僕の場合は、高校卒業後に野球を続けられるのがそこだけだったんだけどね。軍事学校にも野球部、サッカー部、水泳部などがある。授業では、弾薬こそ入っていなかったけれど、機関銃を担いで行進したりした。卒業生の多くは海軍、空軍などに入隊する。僕はそのつもりがなかったから履修しなかったが、戦争の戦略、戦術についての授業もある」と振り返った。

 ドラフトされたため3年で退学。「野球をやっている間は無理だが、引退後には復学して卒業を目指すかもしれない」と言う。日本でいえば、防衛大学校からプロ野球入りするようなもので、こちらは過去に例がない。

 カーブ、カットボール、ツーシームを操り、「まっすぐに見えて手元で落ちる、スライダーに近いカーブが三振を取れる決め球」とアピール。「ファンには“攻撃的”な投球をみてほしいね」と言うのも、軍事学校出身らしさか。

 一方、1月29日に誕生した第1子の長男ボウ君の話になると、途端に柔和な表情を見せる。「1日に何枚でも写真を送ってもらっているよ」と、スマホの待ち受け画面にしている、メアリー夫人とボウ君のツーショットを見せ、ひげ面をくしゃくしゃにするのだった。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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