育成契約のハム高濱が今季チーム1号 「2桁(背番号)を取り戻して、1軍で結果を」
昨秋に支配下から育成に、背番号は「62」から「162」に変更された
日本ハムの高濱祐仁内野手が8日、沖縄・タピックスタジアム名護で行われた紅白戦で今季チーム第1号となる左越え2ランを放った。
5回2死一塁で迎えた第2打席。紅組の「7番・一塁」で出場した高濱が白組3番手・柿木蓮投手のスライダーを左翼スタンドに放り込んだ。「きれいになった球場で1号を打ててうれしいです。打った瞬間は行くかな? と思ったけれど、風が吹いて伸びてくれました」。テレビカメラの前に立つと少しだけ笑みがこぼれた。
今年完成したばかりの新球場第1号となるメモリアル弾は、育成選手の意地が詰まった1発だった。「背番号が3桁になってしまったので、また2桁を取り戻すという強い気持ちで取り組んでいます。アピールができました」とうなずいた。
横浜高からドラフト7位で入団し、5年目の昨季は1軍昇格なし。オフに育成選手契約を通告された。時を同じくしてロッテに在籍する兄の卓也内野手も支配下から育成選手になった。「兄はけが(全内視鏡下腰椎椎間板ヘルニア摘出術)で、僕は実力不足だったので落ち込んだ」と振り返るが、ともに這い上がることを誓った。
背番号は「62」から「162」へ。「(背番号が)2桁の時は余裕がありましたが、今は余裕がない。気持ちの違いが大きいです」と崖っ淵に立ちながら、打撃で再浮上を狙う。17年にはイースタン・リーグの首位打者に輝いたバットマン。今オフから股関節を柔らかく使う打撃に取り組んでいる。
昨季までの5年間で1軍通算出場は4試合。「2桁(背番号を)取り戻すだけではなく、しっかり1軍で結果を残せる選手になりたいです。このキャンプで結果を残したい」と力を込める。
栗山英樹監督は「元々打つ能力があるバッター。悔しさや思いを野球をぶつけるべきなんでね。いいホームランだったと思います」と目を細めた。さらに「ある程度結果を残した選手は明日もと思っている」と話し、9日に沖縄・宜野座で行われる阪神との練習試合に帯同させることを決めた。
2軍キャンプからこの日の紅白戦に参戦した高濱。チャンスがある限り、猛アピールを続けて、どん底から這い上がる。
(石川加奈子 / Kanako Ishikawa)