突然の戦力外通告も「チャンス」 21歳で現役引退した元ロッテ島孝明の決断
戦力外通告で覚悟決めた、「このまま働いても自分に特にスキルがない」
――言われた時は?
「ぶっちゃけた話をすれば、ここで切り替えるチャンスでもあるなと…。次のキャリアに向けて動くならこのタイミングかなと思いました。野球から離れたいという気持ちがちょっとあったのと、球団から言われたタイミングがちょうど重なった感じですね」
――育成選手として続けようかなとは思わなかった?
「もう1年続けるというイメージが、あまりできなかったです。それより、次どうしようかという感じでした」
――応援してくれていた家族はどんな反応でしたか?
「反対じゃないですけど、家族はもう1年やってほしかったみたいです。だからこそ、引退をすることに関してしっかり話をしました。今まで僕があまり自分の現状とか、どんな思いで野球と向き合って過ごしているかを全然話してこなかったので、この機会にしっかり話せました」
――そこで大学進学を選んだのは?
「このまま働いても自分に特にスキルがあるわけではないし、何かひとつ強みを持ってから社会に出たいと思ったので。まだ21歳だし大学に行ってもその先の人生長いのでいいかなと思いました」
――大学で学びたいことは?
「語学が学びたいです。語学を身につけて、そのあとのキャリアを学びながら考えていけたらと思っています。英語やスペイン語などを学んだら通訳などの職業に携われるかなと」
―どうして語学を?
「ロッテの元外国人選手と交流している中で、話していることがすごく楽しかったし、向こう(海外)の文化にも興味を持ち始めて、語学を学びたいと思うようになりました。もっと自分が思っていることを、自分なりに伝えられることができたらいいな、と」
――その仲の良かった選手は?
「1年目は(マット)ダフィーがロッカーも隣で、一緒に食事に行ったこともあります。通訳さんが居ない中で….頭が真っ白でした」
――どうしてそうなりましたか?
「食事に行こうという話になって、通訳さんがいるから行こうと思っていたんです。でも、当日になっていないことがわかって、本当に大丈夫かなと思いながら行きました。なんとかなりましたけど、ホテルに戻ったらすごく疲れていました。頭の疲労、パンクしている感じでした」
――そこから通訳の仕事に興味を持ったのですか?
「チームの通訳さんを見ていて、やっぱり日本語だけではなくて、英語やスペイン語でいろんな国の人と交流できることが面白そうだなと思いました」
――通訳さんとして、またプロ野球に携わる思いはありますか?
「その機会があれば、すごい嬉しいです。プロ野球に携わっていきたい思いは少なからずあります。野球の経験もあるので、自分にとってプラスになるのではないかなと思っています」
(小倉星羅 / Seira Ogura)