「慶三がいたから」バレンティンと川島の絆 背番号“禅譲”とダイヤのネックレスの秘話
バレンティンも敬意を抱く川島の人柄「みんながいいように環境を作るのがチームメート」
バレンティンは来日直後、川島と食事をした際にこっそりプレゼントを用意していた。川島の新しい背番号である「99」がゴールドと無数のダイヤモンドで象られたネックレス。数百万円はするというサプライズプレゼントだった。
「番号を譲ってくれたというのは大きいことだから、自分からプレゼントしたんだ。自分としては物で返したけれど、彼に対してはそれ以上のものだったと思う。値段じゃないんだ。彼が背負っていた番号で、それを譲ってくれたのが凄く嬉しかったんだ」
そのネックレスを川島はキャンプの練習中にも身に着けている。まさかのサプライズに「嬉しかったですよ。あいつも僕のこと考えてくれてのことだと思う。驚きましたし、嬉しかった」と笑う。そこには2人の固い絆が感じられる。そして、川島はバレンティンを「みんなに影響があるような選手。キャンプで見ていてもフルメニューをしっかりやるじゃないですか。日本にしっかり馴染んで、長く出来るっていうのは日本に慣れようとして日本の文化の通りにやるし、人間的にも素晴らしい」と絶賛する。
ソフトバンクというチームの中でも川島は松田宣浩とともにチームを支えるムードメーカーであり、常勝を誇るソフトバンクで不可欠な存在だ。決して出場機会が多いわけではない。にもかかわらず、縁の下の力持ちとしてチームのために動く。その役回りに対しても「野球人だからね、それが野球人。自分がいいとか、思っていたらそういうことはしない。みんながいいように環境を作るのがチームメートだから」。サラリと言ってのけるところが、また格好いいではないか。
今季のソフトバンクの新戦力となるバレンティンと、チームを支える屋台骨の川島慶三。固い絆で結ばれた2人が、再びチームメートとなり、チャンピオンを目指して共に戦う。