鷹・松田宣、球界の若手に猛ゲキ「プロになれただけで満足している選手が多い」
「僕らの若いときより、プロ野球選手になれただけで満足している選手が多い気がします」
──そう言えば、オフの契約更改の際、「ベテランになったら声は出さなくていい、という考えは古い」と力説していた。
「はい。そういう考えを撤廃したいんですよ。(日本野球において)いらない歴史です。年齢を問わず、試合に出ている選手ほど声を出さなければならないと思う。(ベテランになったら)声を出さなくてもいいという考えは、甘えや緩みになり、技術向上を妨げる気もします」
──いまや他球団の若手からも慕われ、シーズンオフの自主トレでは、球団の垣根を越えて“弟子入り”志願者が殺到。昨年12月には、日本プロ野球選手会の新理事長にも選任された。
「選手会では炭谷会長(巨人)と違い、僕の役割は野球普及です。理事長になってから、野球人口が減っていると初めて聞きました。用具にお金かかりますし、誰もができるスポーツではなくなってきているのかなとも思いますが、なんとか底辺の拡大をしていきたい。だからこそ、東京五輪で日本代表が頑張ることが、一番手っ取り早いと思います。僕らが中途半端な成績でなく、金メダルを取れば、一番刺激になるだろうし、そういう使命もあるのかなと。ラグビーは去年のW杯で競技人口が明らかに増えたと聞いていますから」
──球界全体を見渡し、若手に注文は?
「僕らの若いときより、プロ野球選手になれただけで満足している選手が多い気がします。その上の上にも、1軍で出るとか、活躍するとか、階段があるんですけどね」
──ところで、打撃不振に悩んだ一昨年オフ、背番号を3から、以前付けていた5に戻し、昨年の復調につながった。
「3は長嶋茂雄さんの背番号で、自分も侍ジャパンで付けたので、付けさせてもらいましたが、やはり戻してもらってスッキリしました。自分の番号という感じです」
──昨年のプレミア12の日本代表では7を付けていた。
「外崎(西武)が『5がいい』と言うので譲りました。一桁の番号で空いていたのが2と7で、『ラッキー7』のつもりでしたが、全然ラッキーボーイになれませんでしたね」
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)