定岡3兄弟の長男・智秋氏の息子はDeNAブルペン捕手「求めることは何でもやる」
定岡卓摩氏はソフトバンク、ロッテ、楽天でプレーした後にDeNAスタッフに
DeNAの春季キャンプ地、宜野湾市立総合運動場には、新しい多目的室内練習場(宜野湾市立屋内練習場)ができた。選手の練習環境はさらに充実している。
多目的室内練習場の奥に設けられたブルペンで、投手陣の投球練習に備えて準備をしているのがブルペン捕手兼用具担当補佐の定岡卓摩氏だ。定岡氏は有名な定岡3兄弟(智秋、正二、徹久)の長男、智秋氏(元南海内野手、今季四国IL高知のヘッドコーチに就任)の息子にあたる。
福岡工大城東高から2004年ドラフト7巡目でダイエー(翌年からソフトバンク)に入団。ロッテ、楽天を経て2013年限りで引退し、2014年からDeNAで球団スタッフとして勤務している。
当初は、バッティングピッチャーを務めたが、その後、ブルペン捕手に転向した。
――現役時代は内野手、外野手でした
「高校時代まではピッチャーだったので、最初は戸惑いました。でも、僕がブルペン捕手になった時にはDeNAに結構年上のブルペン捕手の方がいたので、そういう人に教わって、自分で練習もして何とか務まるようになりました。選手だったら、ホームベースの少し外側に来たボールもミットをちょっと寄せたりしますが、ブルペン捕手の場合、そのラインを見せてあげたりします。投手によっては捕ったそのままを見せてほしい人もいます。反対に見たくない人もいます。そういう点は、投手とコミュニケーションをとっていきます。投手によって外に何球、内に何球みたいなルーティンがあって、見ていて面白いなと思います」
――アドバイスのようなことは
「投げているときにはしませんが、投球練習が終わった後で『前回のピッチングと違う部分があったね』などと話したりします」
――三浦大輔投手(DeNAファーム監督)のボールも受けていましたが
「三浦さんは試合前とかはそんなに力は入れないのですが、低めに丁寧に投げていました。コントロールを確かめている感じでした」
――シーズン中はブルペン待機ですね
「試合で投げる投手はちょっとぴりぴりしていますし、こっちもそれを察して音を立てるのにも気を遣うような感じです。僕らも緊張しているんですが、それが投手に伝わらないように、隠している感じですね」
――ブルペン捕手に加えて、用具担当補佐でもありますが、どんな仕事を
「メーンではなくて補佐ですので、春季キャンプ中はブルペンで準備したり、室内練習場の準備をしたりしています。体が動いている限りは、ブルペンキャッチャーをはじめ、いろいろな仕事でチームに貢献したいと思います。スタッフである以上、選手が求めることは何でもやりたいという気持ちですね」
取材した2月7日は昼からブルペンで山崎康晃投手の球を受けていた。一球一球「ナイス!」「よっしゃ!」などと元気のいい声を上げて、投手の気分を盛り上げていた。チームの一員として彼も優勝を目指しているのだ。
(広尾晃 / Koh Hiroo)