中日に松坂が残した“財産” キャンプグッズ売上2年連続1億円超に「松坂のおかげ」
松坂退団で売上の減少を覚悟するも…好調さに目を付けた6社とコラボし商品開発
ホクホクの2年間だったが、19年限りで松坂が退団して西武へ。北野さんは「売り上げが落ち込むんじゃないかと不安だった」と言うが、松坂が残した“効果”は大きかった。中日グッズの好調ぶりに目をつけた沖縄の企業から新たにコラボの提案があり、6社と商品開発。親会社の中日新聞社が窓口となって協力し、昨夏から打ち合わせを繰り返してきた。ちんすこうや、芋けんぴの「紅いもカリカリ」などお馴染みの商品とタイアップし、売れ筋のひとつになった。
さらに、売り場が戦場のような忙しさだった「松坂フィーバー」によって、球団職員らの経験値も飛躍的に向上したという。欠品を出して売り逃がしをしないように、在庫置場としてコンテナを新たに設置。売り手の手際も良く、キャンプ初日は昨年を上回る1300万円を記録した。他球団のグッズ担当からも「またすごいことやっていますね」と注目されているといい、北野さんは「売り上げはトップクラスのはずです」と胸を張る。
絶好調の1か月は最終盤。視線はすでに来季に向いている。カレンダーを見ると、21年の2月1日は月曜日。「逆に言えば、1月30、31日の週末からきてもらえるチャンス」と北野さん。そのころは、北谷ではキャンプインを控えた選手たちが選手会合同自主トレをおこなっているタイミングで「自主トレグッズなんかを作っても面白いかもしれない」と目を輝かせる。7年連続Bクラスからの脱却を目指すチームの躍進は、まずはグッズ販売から始まっている。