西武今井、本人も喜べない“自己最速更新155キロ”の怪 指揮官も「ダメでしょ」
開幕投手のニールは4回5安打2失点も辻監督は「安定している。余計な四球を出さない」
その上で「最後の回だけですね。あれくらい力が抜けて、最後(リリースの瞬間)だけ力が入れば、いいボールが行く。あれが最初からできなければいけないと、試合後に森(友哉捕手)さんと話しました」と明かした。
そして155キロについては「絶対出てないです、絶対出てないです、絶対出てないです。それはもう断言できます」と繰り返し、「(自分の感覚では)150も出ていないんじゃないですかね」と計測ミスと言わんばかりで、自己最速認定を拒んだ。
「真っすぐの強さ、質で勝負していきたい。球速はあまり気にせず、真っすぐを狙われてもファウルになるような、そういうボールを求めています。狙った高さ、コースにしっかり投げ切ることも大事なので、自分の目的、目標を見失わず、完成度を上げていかないと」と語り、「しっかり練習をしないといけないと、改めて思いました。ブルペンでも打者に立ってもらうなり、極力実戦に近い形で練習することが足りてなかった」と自ら解説してみせた。
オープン戦・練習試合序盤のこの時期は、単純に結果だけではその価値を計れず、ましてやスピード表示は球場によってまちまちで当てにならない。この日の先発は昨季12勝1敗で、すでに今季開幕投手を務めることが発表されているザック・ニール投手で、最速は147キロ、4回5安打2失点とパッとしなかったが、辻監督は「安定している。余計な四球を出さないし、大量失点しそうにない。(球速は)『速すぎたんじゃないか?』と本人に言ったよ」と信頼を深めた様子だ。現時点でこのあたりに、今井との大きな差がある。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)