前阪神ドリス、NPB時代の“投球改革”はメジャー復帰導く財産に「いっぱい学んだ」

今季からブルージェイズに加入したラファエル・ドリス【写真:Getty Images】
今季からブルージェイズに加入したラファエル・ドリス【写真:Getty Images】

投手コーチも絶賛「彼の振る舞い、そしてマウンド上での存在感を見れば…」

 昨年まで阪神に在籍していたラファエル・ドリス投手は今季から再びメジャーの舞台に戻り、ブルージェイズでプレーしている。日本球界ではセットアッパー、守護神として活躍したが、なぜここまで日本で成功できたのか。MLB公式サイトはその“秘訣”を明かしている。

 ドリスは2016年から阪神で4年間プレーし、NPB通算208試合で13勝18敗96セーブ、防御率2.49をマーク。しかし、カブス時代の2015年時点では「素晴らしい素材を持っていたものの、コントロールはほとんどない普通の3Aの救援投手だった」と、“メジャー選手”ではなかったという。

 ドリスは自身がNPBで過ごした4年間で成長できた要因を「向こう(日本)の打者は、ケージ打撃の時でもファウルボールの連続なんだ。だから新球種を模索したんだ、フォークのようにね」と“新球種”の取得に励んだことを明かしている。

 来日初年度は34試合にとどまり、2軍と行ったり来たりしていたが「初年度はゴロを打たせるためにツーシームを使っていたんだけど、ファウルの連続だった。だからフォークを投げるようにしないといけなかった。その後どうなったと思う? 『ワォ、いい感じで投げられるぞ。またメジャーで投げられるぞ』となったワケさ」。

 ブルージェイズはこのフォークをスプリットと呼ぶそうだが、この球がドリスを普通の救援投手から、2019年には56試合で防御率2.11をマークする投手にまで成長させた。

 28日(日本時間29日)にはOP戦デビューを飾り、1イニングを1安打無失点の好投を見せた。ブルージェイズのピート・ウォーカー投手コーチも「投球の組み合わせは非常に効果的だと思う。彼の振る舞い、そしてマウンド上での存在感を見れば、(日本での学びが)はっきりと伝わってくる」と高評価を与えている。

 ドリスも「日本の投手は投球メカニックが異なると僕は思っている。88~90マイル(約141~144キロ)の球を投げて、それが100マイル(約160キロ)に見える球を投げる投手もいるんだ。僕は日本人投手のような投球を少しするようになり始めたんだ」と、当時を振り返っている。

 ブルージェイズの抑え投手はケン・ジャイルズ投手となる見込みだが、まだ決まった訳ではない。モントーヨ監督も今週行われたライブBPでの投球を見て、「彼があのような投球をしてくれるなら、試合の最後で投げる可能性もある。(経験があるので)最後に投げるプレッシャーの対処法を彼は既に心得ている」と“候補”として名前を挙げた。日本で得た多くの学びは、今季ドリスとブルージェイズにとって大きな財産となりそうだ。

(Full-Count編集部)

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