菊池雄星、“オフ返上”のフォーム修正奏功 投手コーチ「2週間しか休んでいない」

マリナーズ・菊池雄星【写真:Getty Images】
マリナーズ・菊池雄星【写真:Getty Images】

「ジ・アスレチック」が特集、サービス監督「開幕後が楽しみだ」

■パドレス 3-0 マリナーズ(オープン戦・日本時間6日・ピオリア)

 マリナーズの菊池雄星投手はメジャー2年目の今季、進化の跡を記している。5日(日本時間6日)にアリゾナ州ピオリアで行われたパドレス戦に先発。今季3度目の実戦登板で、最速154キロの直球を武器に3回を無安打2四球5奪三振無失点と快投を演じた。米スポーツメディア「ジ・アスレチック」は「ユウセイ・キクチは既に失敗、それとも2020年に活躍できるか?」とのタイトルで特集。このオフの取り組みなどについて伝えている。

 記事によると、2019年レギュラーシーズン終了から2日後、マリナーズのスコット・サービス監督と菊池はシアトルで朝食を食べ、「1年を振り返り、向上点について話し合った」という。驚くべきことに、話したのはほぼ菊池の方だったと伝えている。

 菊池のメジャー1年目は、自身や球団が望んでいたようには進まなかった。新しい国への適応、私生活での大きな2つの変化など、多くのことに対処しなければならず、それが苦戦につながったかもしれないとも指摘している。菊池の昨年成績は32試合登板で6勝11敗、防御率5.46に終わっている

 菊池は4年総額5600万ドル(約59億2600万円)でマリナーズと契約を結んだ。記事は「この契約は1年目の後に失敗のように見えたかもしれない。しかし、キクチは日本の時のような投手になるためにオフに取り組み直し、マリナーズは向上できると感じている。今季良くなると思われる理由がある」とした。昨年は父を亡くし、子供が誕生するなど私生活で大きな変化があったこと、日本とは異なるボール、異なる打者に適応しなければならなかったこと、5人ローテで投げなければならなかったことに言及した。

 レギュラーシーズン終了後にサービス監督と話した後、菊池はすぐにコーチと「ドライブライン・ベースボール」に相談して答えを探し始めたという。「ドライブライン・ベースボール」はシアトル郊外にあるトレーニング施設で、トレーナーや医師、動作分析の専門家らの下、科学的な指導が受けられる。メジャーのみならずNPBの投手も足を運んでいる。マリナーズのピート・ウッドワース投手コーチは記事内でこう語っている。「我々には考えがあったし、(菊池にも)考えがあり、彼はすぐに取り組み始めたよ。彼は2週間しか休んでいないと思う」。

 記事によれば、以前の菊池の投球フォームでは球速が落ちるとコーチ陣が気付いたといい、より効率的な投球フォーム変更に着手。その結果、95マイル(約153キロ)に達する球が投げられるようになったという。5日のパドレス戦で菊池は96マイル(約154キロ)をマーク。フォーム変更は「吉」と出たようだ。

 まだ判断するのは早い。しかし、菊池はそのメカニックを継続できている。メジャーリーグの選手としての日々のルーティンにも慣れたと記事は指摘。最後にサービス監督の言葉を伝えている。「開幕後にどうなるか楽しみだ。以前よりもずっと慣れていることは確かだよ」。

 辛酸をなめた昨年をバネにフォームを見つめなおし、ブレークの予感を漂わせる菊池。メジャー2年目にどんなパフォーマンスを見せてくれるか注目される。

(Full-Count編集部)

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