「東京六大学3冠王」が見せる片鱗 中日ドラ4郡司が狙う正捕手の座「最後はハナ差で」
捕手としては試行錯誤が続く一方で打席では東京六大学リーグの「3冠王」たる所以を見せる
翌2月23日のDeNA戦では、自身がオープン戦で初めてマスクをかぶった。6回から途中出場し、まずは昨季11勝の柳裕也投手とコンビを組んだ。3学年先輩の右腕は「郡司がやりやすいように」と気を配って「リードは任せたから」と言ったが、郡司にとっては逆効果だったようで「柳さんから任せるって言われて、一瞬『えっ』って困っちゃいました」。その回は3失点を喫し、反省の船出となった。
キャンプ序盤からブルペンで投手陣の球を受けてはきたが、実戦はまた違う。その場の状況、打者の特徴、投手の状態……。「ピッチャーとの信頼を築いていかないといけません」。バッテリーには“阿吽の呼吸”が不可欠。柳は試合後「逆に迷わしちゃったよな、悪かった!」と平謝りだったが、ルーキーにとっては貴重な教訓だった。
扇の要では試行錯誤の一方で、打席では快音が続く。13日時点で9打数4安打、打率.444。「それで目立つしかないですから」と苦笑いしていたが、慶大4年秋に東京六大学リーグの「3冠王」を獲得した前評判に違わぬ打棒を見せる。オープン戦序盤は「まだ甘い真っすぐしか打っていませんから」と謙遜していたが、裏を返せば打つべき球を捉えられているということでもある。
新型コロナウイルスの感染拡大を受け、日程は不透明な状況に。ひとまずは4月中とみられる開幕に向け、さらに競争は激化する。まずは開幕1軍。さらに、郡司の意識は高みにある。「開幕マスクは虎視眈々と狙っていますよ。食らいついていきながら、最後の最後でハナ差で抜け出したい」。まだキャンプインから1か月半。成長速度は加速している。
(小西亮 / Ryo Konishi)