仙台一高から東大に現役合格した関戸悠真さん 野球と勉強の“共通点”は?

「目標と現状の差をどう埋めるか、野球も勉強も共通している」

 こうして順調に成績を伸ばしていた関戸だったが、1つの壁に当たった。志望する大学の学部学科を決定できなかったのだ。物理が好きで工学系に進みたいとは思っていたが、工学部の学科に迷った。そこで、3、4年生で進学する学部・学科を決められる進学選択制度がある東大を考え始めた。志望校を東大にしたと聞いた千葉監督は驚いたというが…。

「でも、確かに関戸の成績は伸びてきていたんですよ。それまではほとんど上位ではなかったのですが、秋くらいから随分と上位になってきているな、と。関戸だけではなく、硬式野球部の子たちみんなが伸びていたのですが、それにしても、関戸だけ異常な伸び方でしたね」

 信じられないような右肩上がりの成績の伸びを見せる曲線のことを、仙台一では“一高曲線”と言うのだそうだ。関戸は「部活後に勉強に力を入れて、グイッとくるのを“一高曲線を描く”というんです」と補足してくれた。試験本番では得意の物理でミスしてしまったが、数学や国語で挽回。“一高曲線”の伝統をつなぎ、合格発表では学校の先生たちを驚かせた。

「達成したい目標と、自分の現状の間にある差をどう埋めていくかという過程が、野球も勉強も共通しているなと思っています。目標に到達するためには、まずは自分の立ち位置を把握し、作戦を立て、いろいろとやり方を工夫しながらどんどんその差を詰めていく。そして、勉強だったら模試、野球だったら練習試合などで自分の立ち位置を確認しながら試行錯誤を繰り返し、目標までの差を縮めていく。それは野球も勉強も一緒だなと思います」

 だから、高校野球にはちょっと悔いが残っている。最後の夏にベンチ入りがかなわず、「もうちょっと日々に目標を持って過ごすということを徹底すれば成長できたかもしれない」と―。

硬式野球部では「芸人班」に、東大では「ラグビーをやってみたい」

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