鷹・尾形、驚異の奪三振率を生む“火の玉ストレート” 秘訣は手首の強さと当たり前の努力
「僕の場合、ボールを離す瞬間も手首がまっすぐ立っているんです」
球速は150キロに迫る。確かに速いが、答えはスピード表示ではない。藤川球児の「火の玉ストレート」にも似た、わかっていても打たれない真っ直ぐを投げられる秘訣を、尾形自身が明かしてくれた。
「オープン戦で投球フォームのスロー映像を見た時、はっと気づいたんです。僕の場合、ボールを離す瞬間も手首がまっすぐ立っているんです。手首を立てたほうがいいと言われますが、ボールを握った状態で思いっきり腕を振るから、ボールの重さなどに負けてどうしても10度くらいは傾いてしまうものなんです」
他の投手と明らかに違う手首の強さこそが、尾形の最大の武器である“お化け直球”を生んでいた。
「明確な理由になるかわかりませんが、子どもの頃、ほぼ毎日スナップスローをしていたんです。一日1000球とか。小学生の頃のコーチから『スナップスローなら肩や肘を使わずに投げられるだろ』と言われたのがきっかけです。小4から中2までずっとやっていました」
努力を努力と思わず、当たり前のように継続できる。それが尾形という男である。新背番号「39」とともに、次に狙うのは開幕1軍だ。工藤公康監督はこの右腕を高く評価しており、勝敗を左右する重要な局面で尾形を頼るシーンも今季は何度も見られるかもしれない。
(「パ・リーグ インサイト」田尻耕太郎)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)