6球団スカウト注目の日体大・森が巨人3軍戦で150キロ 結果に不満も感じる可能性
視線の先にいたのは同い年の巨人ドラフト2位の太田龍投手、2回無失点の内容に刺激
巨人3軍戦での課題を「制球」以外の点で、森自身は「ストライク、ボールがはっきりしていたこと」「遊び心を持って投げたい」というポイントを挙げた。
視線の先には、巨人の2番手登板したドラフト2位ルーキー・太田龍投手がいた。2回1安打無失点と制球良くまとめていた。森は「意識はしていないです」と話したが、ストライクとボールをしっかりと投げ分けていた。自分との立ち位置の違いを目に焼き付けた。
「向こうの方が、プロ野球選手ですから(笑)。(太田だけでなく同世代のプロたちは)力感なく投げていましたね。今すぐできることではないですけど、そこで小さくなったら、自分の良さは消えてしまうというのもあるので、まずは強い球を投げていきたいとは思います」
森の直球の威力に打者が押される場面は何度もあった。それが身体をしっかり使って、最速155キロを投げる右腕の魅力でもある。その速球を生かすために「もう少し、遊び心を持って投げたい」という。変化球の精度を上げることだ。
「今日も走者が詰まった状態で、直球やスライダーの二択でした。カーブだったり、ツーシームだったり、今やっておかないと、リーグ戦でも切羽詰まった時に投げられないと思うので、今後の登板で試していきたいなと思います」
独特な間合いのフォームから150キロ超えの直球に、緩急自在の投球がブルペンだけでなく、高いレベルで投げられるようになれれば、森の未来は明るく広がっていく。プロアマ交流戦は、将来、プロを目指す投手にとっては貴重な場所となった。
日体大の所属する首都大学野球リーグは現状では4月4日の開幕を予定(3月18日現在)している。
「今の感じからするとあまり(自分の)状態はいいようには見えないんですけど、自分の中でもそこは焦らずに、徐々に徐々に上げていければ、と。リーグ戦を通して、投げられるようにして行けたらいいなと思っています。調子が悪いからって、気持ちばかり焦ったり、前に出てしまうと、あまり良い事では無いので、そこは落ち着いて、できることをしっかりやる。そこを崩さず、焦らないでやっていきたいなと思います」
スピードボールを持っているからといってプロになれるとは微塵も思っていない。自分の中での信念を曲げず、取り組んでいける自信と考え方がしっかりと根付いているようだ。 「来年もいい投手がいるんです。見て行ってください」――。辻コーチの言葉に裏付けられていたのは、ボールだけではなかった。このような考え方にもあったのだと思う。