遊撃か三塁かそれとも一塁? 定位置奪取目指すロッテ鳥谷、狙い目のポジションは
ファーストミットも発注済、一塁には大砲井上が君臨するが…
二塁には、2年連続全試合出場の中村奨吾内野手がいる。打率.284、39盗塁をマークした一昨年並みの成績なら文句なし。しかし、昨季は左目下のケガの影響で.232の低打率に終わっており、一抹の不安は残る。
また、内野で一塁だけは守ったことがない鳥谷がロッテ入団に際し、あえてファーストミットを発注したことが話題になっている。一塁には、4番定着を期待されている井上晴哉内野手がでんと構えているが、こちらも昨季序盤に極度の打撃不振で2軍落ちを経験した。安定感抜群とはいかず、鳥谷も準備しておくに越したことはない、といったところか。
3月も中旬に差し掛かってから鳥谷の入団が決まった背景には、若手の伸び悩みがある。2015年ドラフト1位で22歳の平沢大河内野手は右肘痛でキャンプ2軍スタート。17年ドラフト1位で20歳の安田尚憲内野手は、昨季イースタン・リーグで3冠(19本塁打、82打点、116安打)に輝き、今季は1軍で三塁の定位置獲得を期待されたが、キャンプ、練習試合を通じてパッとしない。ユーティリティプレーヤーの三木亮内野手が昨季オフに右膝を手術し出遅れている事情もある。一方で、ドラフト5位ルーキーの福田光輝内野手(法大)は、内野ならどこでも守れる器用さに加え、2打席連続弾を含むオープン戦3本塁打を放ち猛アピール。今後、鳥谷にとって脅威になるかもしれない。
その鳥谷は19日の試合では、5回に2番手で登板した大嶺が2四球でピンチを背負うと、すかさず「ちょっと間を空けたい場面だったので」とタイムを取ってマウンドに駆け寄る姿があった。このあたりの気遣いはベテランならでは。それでも、シーズンで存在価値を示せなければ、来季現役続行の保証はない。鳥谷の苦闘はこれからが本番である。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)