巨人坂本、新型コロナで史上最年少2000安打は黄色信号も…レジェンド級の快記録とは

右打者の史上最年少記録は33歳6か月の土井正博

 こうした目算は、急速に深刻化する新型コロナウイルス肺炎の感染拡大によって崩れつつある。NPBは3月20日の開幕を断念。遅くとも4月中に開幕したいとしているが、この間の20、30試合が延期となる。仮に4月10日に開幕したとしても7月18日時点では80試合程度の消化となり、116安打を打つのはかなり厳しいと考えられる。

 東京五輪の延期も取りざたされている。仮に7月19、20日のオールスター後にペナントレースが組まれる可能性はあるにしても、現状では坂本の「史上最年少2000本安打」には黄信号が点灯したといえそうだ。

 しかし、最年少記録を更新できなかったとしても坂本の実績が色あせるわけではない。今年中に2000本をクリアすれば、33歳6か月の土井正博を抜いて右打者としての最年少記録となる。また、この記録の上位選手は外野手か、一塁手だ。守備の負担がはるかに大きいい遊撃手として若年記録に迫る活躍をしていることは、称賛に値する。

 昨年、坂本は最多安打に輝いた12年に並んで自身のキャリアで2番目に多い173安打を記録した。2017年7月9日に史上2番目に若い28歳6か月で1500本安打を記録したが、30歳を過ぎても衰える気配は全くない。2000本安打も通過点だといえよう。

 坂本がペースを落とすことなく安打を量産すると、歴代で7人が記録している2500本、そしてNPBでは張本勲以外誰も達成していない3000本安打も不可能ではない。たとえ2000本安打のテープを最年少で切ることができなくても、当代屈指の好打者であることは変わらない。今後の活躍に注目したい。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY