真の“育て上手”はどの球団? 育成→支配下の輩出数から見る12球団の“育成力”
60打席or30投球回をクリアした選手はソフトバンクが11人と12球団でトップ
ただ、最も大事なのは、支配下に選手を上げることではなく、1軍で活躍する選手を輩出できたかどうか。新人王の有資格の条件となる野手なら60打席以上、投手なら30投球回以上を基準に、それをクリアした選手を探ってみる。
ここでも最も多いのはソフトバンクで、その数は11人に上る。支配下に昇格した21人のうち半数以上が1軍でも出場機会を手にし、実績を残している。昇格の基準を「1軍で活躍できるか」に設定していることが、これに結びついており、そして、千賀や甲斐といった侍ジャパンの中心となる選手も生み出している。
巨人は支配下に昇格した20人に対し、この基準をクリアした選手は8人と半数以下に。山口は球界トップのリリーフに成長したが、近年は球界を代表するほどの選手は輩出していない。ただ、増田大輝や山下航汰といった期待の若手がおり、彼らがこの基準をクリアする選手になる可能性は十分に秘めている。
他球団を見ても、この1軍で活躍できる選手を育て上げるというのは難しいよう。1軍で主力となるような選手はなかなか育たず、それこそ球界を代表するほどのトッププレーヤーに育つことは稀のようだ。
ソフトバンクや巨人は指名数が圧倒的に多く、支配下に昇格する選手が多くなるのは当然だ。そして、比率で言えば、ソフトバンクも巨人も、他球団と比較しても、育成選手の支配下昇格が特段、高いというわけではない。こうして見ると、ソフトバンクの育成上手と言われる所以は、1軍主力クラス、侍ジャパンクラスの選手を輩出できるという点にあるようだ。
(Full-Count編集部)