「完璧」とカメラマンが唸ったワンプレー “死闘”の韓国戦で西純矢が日本を救った瞬間
カメラマンが印象に残ったプレーを紹介、昨夏のU-18で見せた西の好返球
新型コロナウイルスの影響でプロ野球の開幕が延期となり、選手のプレーを首を長くして待っているファンも多いだろう。今季はロッテ・佐々木朗希投手、ヤクルト・奥川恭伸投手ら、1年目から活躍が楽しみな高卒ルーキーも多い。そこで、Full-Countのカメラマンが激写し、厳選した彼らの高校時代の思い出のワンプレーを紹介したい。
昨夏、韓国・機張(きじゃん)で行われた「第29回 WBSC U-18ベースボールワールドカップ」の韓国戦。先発の佐々木が右手中指の血豆をつぶし1イニングで降板するアクシデントの中、獅子奮迅の活躍を見せたのが阪神にドラフト1位指名された西純矢投手(創志学園高)だ。スクランブル登板も好リリーフで試合を作ると、2-2の9回2死一、二塁と一打サヨナラのピンチで左翼守備から好返球を見せたのだ。
「打球が飛んだ瞬間は左翼線で、きつそうな体勢。本職でもないし、正直、間に合わないと思いました」。そう思いながら、カメラマンは西のプレーを目で捉えていた。しかし、次の瞬間、そこからの返球に目を見張った。「ビデオ判定になってもアウトを確信していました。それくらい完璧なタイミングでした」と興奮気味にシャッターを押した。
その後、リプレー検証となった。写真には判定を待つナインの表情も収められている。アウトが認められると、佐々木をはじめジャパンの面々から手荒い歓迎でベンチに迎え入れられた。
試合はその後、惜しくも延長11回に4-5でタイブレークの末、サヨナラ負け。「石川くん(現・中日)ら、人目をはばからず涙する選手もいた」という。悔しい敗戦となったが、プロでの活躍を予感させるスーパープレーには日韓のファンが沸いた。