“解散”は突然に― 甲子園V経験のある名門校の決断、球児と指揮官の約束
チームの活動停止前に生徒たちに投げかけた言葉「野球ができるようになったら爆発させよう」
「一番怖いのは気持ちが切れること。誰しもが『甲子園に行きたい』と思って日々の練習を頑張っている。2年生は次があるけど3年生はそうじゃない。でも、こんな時こそ全員で気持ちを一つにして、野球ができるようになった時にそれを爆発させよう。自分たちだけじゃない、日本中のみんながそうなんだと」
生徒たちには自宅で可能なトレーニングメニューを送っているが、約1か月間の“待機”は球児たちにとっては厳しいものになりそうだ。大角監督は「本来なら実戦をこなして、夏に向けた体力もつける時期。でも、全員が同じ条件。考え方によってはピンチはチャンスと捉えて。個々がどれだけ意識を高く持てるかだと思います」と語る。
「辛抱して日本一へ」
そんな中、大角監督は自宅に帰る生徒たちに向け1枚の色紙を送った。モチベーションが下がった時にこの言葉を見て、何とか踏ん張って欲しい――。指揮官も自宅に色紙を持ち帰り、生徒と共にこの期間を踏ん張るつもりだ。
「プロ野球を含めて全てのスポーツ界が今、辛抱する時だと思います。今まで経験したことのない大きな壁を乗り越えて、何とかもう一度、真剣勝負の舞台に立たせてあげたい」
全国の球児たちが再びグラウンドに立てる日々を――。試練を乗り越えた先には“夢舞台”が待っているはずだ。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)