「熱男リレー」を繋ぐ人々の思い 鷹・松田宣が込めた打倒コロナの願い
「『そんなんやるか』と思われたらそれまでだった」
球界だけでなく、他のスポーツや芸能界にまで広がっている「熱男リレー」。ソフトバンクの松田宣浩内野手が9日に自身のインスタグラムでリレーをスタートさせると、チームメートや他球団の選手たちも巻き込みながら、次々に波及していっている。タレントの武井壮さんや指原莉乃さんまでリレーに挑戦し、その波は広がり続けている。
新型コロナウイルスの感染拡大で開幕が無期限延期となったプロ野球。ファンも物足りない思いを感じながらの日々を送っている。自宅待機を強いられ、外にも出られない……。そんな中でみんなが一致団結して新型コロナウイルスに立ち向かわなければならない。何かで“1つ”になれないか。そう松田宣が思ったのが「熱男リレー」の始まりだった。
15日にPayPayドームで行われた自主練習後にオンライン会見に臨んだ松田宣。この「熱男リレー」に込めた思いを語った。「どう展開するとか、想像とかはなく、コロナウイルスによって世界中が厳しい状況になってる。今、プロ野球選手として何ができるか、と考えたときに『熱男』ってシンプルで、みんなが知ってる言葉なので、1つになるのに近道なんじゃないかと始めました」。
ここまでの広がりは松田宣自身も予想していなかっただろう。「繋がっていると聞いてビックリしていますし、やって良かったなと思います」と驚きを隠さない。ただ、このリレーのバトンを受け取った人たちも同じ思いだろう。1つになってコロナウイルスに打ち勝とう――。その思いがバトンを繋いでいるのだ。
例えば、チームメートの和田毅投手もその1人。「全員で打ち勝とうというのが松田の思いだと思う。その願いを感じます。『熱男』って凄いな、と。コロナに負けないという思いで始まったのがここまで広まるのは凄いことだと思います」と語る。「これで1人でも元気もらったという人がいたりすればいいな、というのが(思いとしてあったと思う。『熱男』ってめっちゃ凄いなと思いました」と言うのは今宮健太内野手。2人も松田宣の思いを汲み取り、バトンを繋いでいる。
世の中にはこの「熱男リレー」を“何だコレ”とか“馬鹿馬鹿しい”と言う人も少なからずいるはずだ。松田宣も「『なんだこりゃ』とか『そんなんやるか』と思われたらそれまでだったんで」と語っており、それは承知の上。ただ、思いを共有してくれる人たちに少しでも元気や勇気、笑顔を届けられたら、と思っているのだ。
「みんなが賛同してくれて『熱男』という言葉で日本中が繋がってくれれば嬉しいなと思っています」と語る松田宣。その思いは、きっと数多くの人たちに届いているはずだ。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)