DeNAに広がる英語の輪 12球団唯一「チーム付英語教師」平川ブライアン先生に迫る

主な生徒はチームスタッフや球団職員、進歩も実感「この前、ヤスアキが…」

 親しみやすい人柄もあり、レッスンは大好評。時には、朝から晩までレッスンの予約でビッシリと埋まることもある。

 DeNAは2018年にはオーストラリアのキャンベラ・キャバルリー、2019年にはMLBのアリゾナ・ダイヤモンドバックスと業務提携し、事業面での人材交流やオフシーズン中の選手の派遣など、国際的なネットワークを広げている。そのため「トレーナーやコーチが外国人選手と英語でコミュニケーションを取ったり、球団スタッフが海外の提携球団と円滑に業務を進められるような英語を教えています」と実用的な英語も伝授。チームを縁の下でサポートしている。

 もちろん、英語習得に興味を持つ選手も多い。選手とレッスンの時間を設けてはいないが、キャンプインからブライアン先生はチームに同行するため、練習中や遠征先の食事会場など、英語でコミュニケーションを取る機会を作っているという。

 英語教師となり、今年で3年目。生徒たちの進歩を感じることも多い。こんなうれしいエピソードもあった。

「この前、ヤスアキ(山崎康晃)が来て『ブライアン、前よりチーム内で英語をよく聞くようになったね』と言ってくれたんです。私は感動しました。周りの人が変化に気付いてくれたことが、何よりうれしかったです」

 英語を教えると同時に、野球について学んでいる。小学生から大学生までサッカーをプレーしてきた。だが、スポーツ全般が好きで「地元サンディエゴ・パドレスの大ファンです」。子どもの頃から球場に足繁く通い、家ではテレビ中継を欠かさず見ていたという。だが、DeNAで働き始め、自身の“野球ID”の低さを実感したという。

「ファンとして、野球のルールや状況を理解することはできます。でも、なんでバントなのか、なんでスクイズをしたのかが分からなかった。それを生徒でもあるチームスタッフに聞くと、その理由をみんな分かっているんです。アメージング。野球を心底理解しているんですね。私の野球IDはゼロだということに気付きました。この2年間、私はハイレベルな野球を勉強させてもらっています。ようやく野球IDは15くらいまでアップしました(笑)。ボールの投げ方も教わっていて、1年目はフォーシーム、2年目はツーシーム、今年はカットボールを練習中です」

「Full-Count」で英語レッスン開講「野球観戦を楽しめるお手伝いができたら」

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