「心だけ受理」BC埼玉武蔵選手会が申し出た報酬返納 球団社長が苦渋の決断
給与の“返納”の代替案として行うことになったオリジナルTシャツの受注制作、販売
球団にもよるだろうが、生活していくための“最低限”の給料で、独立リーガーは野球に打ち込んでいる選手が多い。この“一部返納”を受け入れることが果たして、球団、選手のためなのか――。角監督らと話し合いを持ち、返納の受託をこのタイミングではしないことを決めた。
替わって提案したのは、球団公式ホームぺージから申し込むことができるオリジナルTシャツの受注制作、販売だった。
埼玉武蔵が17日に発表した「#コロナに負けない『FIGHT ON!』Tシャツ」(2500円・税込・送料別)は、球場で会うことができない選手、ファン、応援企業などチームに関わる全員が心を一つにして、困難に立ち向かっていこうというメッセージが込められている。そして、無事に開幕した際にはこの青色Tシャツを着て、球場を一色に染めましょうと呼び掛けている。
「Tシャツの販売に踏み切らせていただきました。選手たちも、考えに賛同してくれる企業にこの情報を拡散し、購入を呼びかけてくれています。みんなでTシャツを買ってもらえるように、がんばってくれています」
Tシャツの制作を担当した「株式会社パイン企画」は昨年まで2年間、投手として埼玉武蔵に在籍していた安斎雅喜さんが入社した会社だった。力になりたいという思いは広がっている。
ロッテでプレーした角監督からも「球団が一丸となって、この難局を乗り切りましょう」と今井社長は力強い言葉を受けたという。角監督が発信した個人ツイッターにも多くの声が届いた。応援する声も多い。報酬の一部返納を受け入れることよりも、自分たちでもっとできることがある――。フロントと選手がひとつになって、小さなプロジェクトは動き出している。受理するのは気持ちだけで、終わらせられるように。