吹奏楽部員58人がひとつに…野球名門校の“テレワーク演奏”動画の制作秘話

パートごとの演奏がそろっていて感動、「鳥肌が立ちました」

「音楽は、言葉が無くても感情を伝え、心で感じることができるんです。わくわくしたり、感動したり、聞いただけでできる。今は人に笑顔や元気を届けたいので、野球などの応援に使う応援歌にしました」

 3年生が選んだのはいつもは、野球場などで選手に向かって演奏する曲だった。それを1人で録画して演奏。どんなものが届くのかドキドキしていた。

「まず、パートごとに届いたものを聞いたら、揃っていたことに感動して鳥肌が立ちました。1つ1つのものが集めるだけなので、どうなるかわからなかったので。他のパートと合わせたら嬉しくて涙が出そうになりました」

 編集している間も、会えないみんなで一緒に吹いているみたいで楽しくてしょうがなかったという北奥さん。打楽器など持ち帰れない楽器を担当した部員も、元気に踊り盛り上げることで参加している。

 3年生全員57人に声をかけ、出来上がるまでは1週間という驚きの早さ。「やれることがあるだけでも、幸せなんだと思えました。部員も今はバラバラだけど、こんなことも一緒にできるんだねと前向きになっています」

 そして完成した翌日の4月20日。吹奏楽部の公式アカウントにアップする、と2日間で4万回以上の再生回数があった。他の部活の選手からも「ありがとう」「元気をもらった」とたくさん連絡が来た。「これだけ反響があるとは思っていませんでした。今回取り組んでみて、これもできるかもしれないと思えるようになりました。このまま何も無くなるという不安はなくなりました。なにより、今日やることがある、明日やることがある、それだけで前を向けるんです」

 学校に行けなくても、みんなに会えなくても、うまくいかなくても、仲間と何かを達成する。その目標に一緒に向かう大切な仲間がいる、その絆を感じたことが市船吹奏楽部員を前向きにしてくれた。

 今は第2弾の練習をしているという。オーケストラにダンス、YOSAKOI、次はどんな動画を私たちに届けてくれるのか、楽しみにしたい。

【動画】感動の一言! 58人の演奏が見事にそろった市立船橋吹奏楽部のテレワークで応援の実際の映像

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