【球児の今】八戸学院光星が今も変わらず練習を続ける理由 仲井監督「きれいごとだけでは…」

「野球どころではない」と知りつつ「そんなに簡単に片づけられることではない」

「きれいごとを抜きにして言うと、彼らは野球をやるためにうちに来ている。仮に甲子園という目標がなくなっても、野球をやることの先に進路という形での将来があるんです。そのための技術や体力は磨き続けないといけない。この先大学の練習やセレクションがあるのかはわかりませんが、そこは僕にできるツテやコネを使って。甲子園に行くため、野球で大学に行くために八戸まで送り出してくれた親御さんや本人の希望はできる限り叶えてあげないといけない」

 親元を離れてまで野球を選択した球児たちの事情。それは部活動としての野球だけでなく、その先の将来にも通じる大きな決断だ。「野球どころではない」という意見は理解しつつも、「そんなに簡単に片づけられることではない」と仲井監督は言う。

「今年の代は甲子園がないから、練習ができないからと僕自身が投げやりになることはできない。今年の夏も、結果が出るまであきらめることはできません。日々の練習を可能な限りやるのが彼らにとっての誠心誠意の在り方。もちろん感染は絶対にしてはいけない。それはちゃんと確保したうえで、僕らは一生懸命、できる限りいつも通りの練習をさせてあげないといけない」と指導者としての信念を語った仲井監督。甲子園出場だけがすべてではない、球児の人生に寄り添った指導を続けている。

(佐藤佑輔 / Yusuke Sato)

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