カッコいいオリックスの場内ビジョン 選手スタッフ一体の撮影舞台裏に潜入
「選手の個性やカッコよさを引き出したい」
休む間もなく、次はオープニングムービーの撮影だ。「今年は初めてスタジオを貸し切って撮影をやります」という木寺さんの言葉からも気合が感じられる。そこは造船場跡地のスタジオなのだという。「華やかでミュージックビデオを意識したムービーに仕上がる予定です。選手の個性やカッコよさを引き出せれば」と語る。
先にオープニングムービーを撮り終えて室内練習場に戻ってきた山岡泰輔投手は「撮影スタッフが多くてびっくりしました。現場もすごいカッコよくて本当にMV撮ってる感じ」と笑顔。横幅のあるビジョンの特性を生かして、投手の腕のしなりを強調したり、迫力あるバッティングや盗塁の様子を演出できるのが、通常の16:9の動画と比べて演出の工夫しがいがあるところ。果たして今回のオープニングムービーはどのような演出に? 現場に到着すると、山岡の言葉の通り、総勢20余名のスタッフが福田選手を待ち構えていた。
ただ、待ち構えていたのはスタッフだけではない。広さ300平米近くはあろうかというスタジオのど真ん中にウエイトトレーニングのマシーンが鎮座。「この日のために用意しました」というマシーンに福田も驚く。細身の体からは考えられないが、自身の体重の1.5倍を超える100キロオーバーのバーベルを持ち上げるほどのパワー系な福田。そのイメージから「トレーニングに励む様子」が主な撮影ポイントとなる。
マシーンを取り囲んでの撮影が進むなか、ウエイトに取り組む自身の表情に納得がいかなかったのか、「本気でキツいのいきましょう。一番重いのにしてください」と福田から提案が。
こうして撮れたのは、こめかみに力が入り、唇を噛み締めた、演技ではない表情。モニターを眺めていたスタッフからも思わず唸る声が聞こえた。当の福田は「きましたわ。アドレナリンが」と爽やかに汗を拭う。その姿が印象的だった。
1時間半におよぶ撮影を終え、福田は「こんなにスタッフさんが多いとは思いませんでした。照明や演出がすごかったですね。わざわざこの撮影のためにウエイトマシーンを買うとは(笑)。できあがりが楽しみです」と頬を緩ませる。
今シーズンの目標を尋ねると、「とにかく優勝すること。自分のやるべき仕事を全員がひたむきにやることが、良い結果につながると思います。僕個人としては出塁することをしっかり考えていきたいです」と語った。
そして、「昨年は最下位で、たくさん応援をしてくださったファンの皆さんにとっても悔しい結果になってしまったと思います。このムービーを観て今年も一丸となって応援してくださると嬉しいです。球場が一体となる感じが今から楽しみです!」と締めくくった。