10年間で13球団 元オリ助っ人右腕が語る台湾球界の現状「野球ができるだけで幸せ」

アジアで3つのプロリーグを経験 「日本の選手の野球との向き合い方は世界でもトップクラス」

 日本では2018年にオリックスでプレー。ただし、シーズン半ばの7月に途中入団し、実質2か月ほどの滞在だった。それでも、NPBのレベルの高さにおどろかされたという。

「韓国、台湾、日本はそれぞれリーグの大きさが違うので、レベルの高さにも違いは出てくる。日本はチーム数も多く、選手層も厚いので競争が激しい。かなりハイレベルな野球をしていると思う。特に、選手一人ひとりの野球との向き合い方は、世界でもトップクラス。僕自身はコンタクトの上手い日本の打者と対戦したことで、投手としての幅が広がったんだ」

 現在プレーする台湾では、いかに野球が国民的スポーツとして浸透しているかを感じることが多いという。

「ファンは本当に野球を愛している。彼らが野球に熱中する姿、常に気に掛けている姿を見ると、本当に素晴らしいと思う。今、台湾では無観客試合を行っているけど、それでも台湾の人々がどれほど野球を好きなのか、その思いを感じることができる。どこに行ってもテレビでは野球中継が流れているし、みんなが野球の話をしているし。とてもクールなことだと思うよ」

 新型コロナウイルスは世界で猛威を振るう中、CPBLは当初3月14日に予定していた開幕を2度延期し、4月12日に無観客での開幕へこぎ着けた。関係者に感染者が出た時点でのシーズン中止を公言しているが、台湾球界は実際にどんな状況にあるのだろうか。

「台湾は政府が先頭に立って、新型コロナ対策に素晴らしい対応を取っている。台湾の人々が一丸となって封じ込めに乗り出す姿は、本当に驚くほどだ。だから、開幕することに対して怖さは全く感じなかった。リーグの対応も徹底しているんだ。どこへ行くにも移動には必ずマスクをつけ、球場に入る時は毎日検温。こまめな手洗いも欠かせない。チェック体制も厳格で、もしせきやくしゃみをしたり、体調が良くないように見えたら、すぐに病院で検査をすることになっている」

世界で唯一開催されるプロ野球リーグ 「無観客でもその価値は十分だ」

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