“世界最速”で開幕した台湾プロ野球 球団関係者が語った日本が学ぶべきもの

選手や球団関係者、マスコミに対しては入場時の検温、アルコール消毒、健康申告書の提出を義務付け

 いざ開幕するにあたって、具体的にどのような対策を行ったのか。関係各所との調整については、CPBLが中央感染症指揮センターが定めたガイドラインに基づき、感染症対策計画を作成。この感染症対策計画をもとに、台湾政府衛生福利部(保健省)と各開催地の自治体と協議を重ね、両者からの了承を得ることに成功したという。

 選手や球団関係者、マスコミに対しては、入場時の検温、アルコール消毒、健康申告書の提出を義務付け、球場への立ち入り人数にも制限を設けている。そのリストは実名制で、前日に提出してもらうという。

 また、球団職員や審判、記録員に対しては、3月30日より「完全分離分流制度」を導入。これは、彼らをAとB2つのグループに分け、グループ間での接触を回避することによって、集団感染予防を強化する狙いだ。このように、さまざまな取り組みによって、感染状況の悪化を防いでいる。

 選手たちは、開幕までどのように過ごしていたのか。幸いにも、本拠地グラウンドや練習場は使用できる状況だったため、例年通りの場所での調整が行えていたそうだ。その他にも、CPBLのホームページに設置された防疫コーナーでは、手洗い動画への出演で、住民への注意喚起を行うなど、感染症対策にも貢献。2018年から19年にかけてソフトバンクホークスに在籍したミランダ投手は、アメリカの取材に対し、「感染拡大予防のために、体温を1日に何度も計測し、手指消毒も頻繁に行う」とコメントするなど、やはり選手も体調管理には万全を尽くしているようだ。

 そして待ちに待った開幕戦。その模様は、インターネット配信を通じて世界中に届けられた。勝利に向けて、必死にプレーする選手たちと、チアリーダーや音楽が球場を華やかに盛り上げる様は、野球ファンのみならず、数多くの人たちに希望を与え、野球界に明るいニュースを生み出してくれた。実際、CPBLには各国メディアからの取材が殺到し、ロサンゼルス・タイムズ紙は、「たとえ、そこに観客がいなくても、野球ができるというのは素晴らしいことである」と称賛。同幹部はこのことについて、「これをきっかけにもっともっと世界中の野球ファンにCPBLを知ってもらえればと思います」と思いを語った。

CPBLから学べることは何か、私たちにもできることはある

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